February 15, 2021お手入れ・ケア
ナイロン生地の特徴|メリットやデメリット・取り扱いや注意点も解説
「ナイロン生地のお手入れはどうすればいいのだろう」「洗濯するときの注意点はあるのかな」と、気になったことはありませんか。
ナイロンは、多くの衣類やカバンに使われています。
この記事で紹介する「ナイロンについて」を知れば、誰でも簡単にナイロンのお手入れや、今後ナイロン生地のアイテムを購入するときに役立てることができるようになりますよ。
今回は、ナイロンとは何かを説明した後にナイロンのメリット・デメリット、取り扱いの注意点やナイロンが向いているアイテムについても紹介します。
さらに、ポリエステルとの違いやよく見かける表記のデニールについても解説しています。
この記事を読み終えると、今後は「素材の表記」を確認し使用用途に合わせて、お気に入りのアイテム選びができるようになりますよ。
ナイロン生地とは、主に石油を原料とした世界初の合成繊維のことです。
繊維については細かく分けると非常に多岐に渡りますが、主には天然素材を使用した「天然繊維」と、化学的に合成・加工した「化学繊維」の2つに分けられます。
「天然繊維」で知名度が高いのは麻や綿などの「植物繊維」や、シルクやウールなどの「動物繊維」です。
「化学繊維」は原料と製造方法を元に、主に以下の4つに分類されます。
合成繊維はナイロン以外に、ポリエステル・ウレタン・アクリルなどがあります。
合成繊維のほとんどが、身近なものに使われているため耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ナイロンは、開発間もないころは女性用ストッキングなどに使用されていました。
その後、特性を活かし開発を重ね、アウトドアウェアやバッグ、インナーや雨具と、非常に多くの製品に利用されています。
ナイロンのメリットは、以下となります。
同じ化学繊維のポリエステルも摩擦に強いとされていますが、摩擦の観点ではナイロンの方が強度が高く、多くのアイテムに使用されています。
そのため、摩擦の負担がかかりやすいアウトドア用品やスポーツグッズにも多用されています。
一般的に軽いと言われている天然繊維を使用した製品よりも格段に軽く、ポリエステルと比較してもナイロンの方が若干軽いです。
この軽さが、スポーツウェアやバッグなどとの相性がよいとされ、重宝されている理由のひとつです。
またスポーツだけに限らず、ビジネスシーンにおいても軽さを求める人が増えています。
ナイロン素材を使用した、オフィスカジュアルとなるアイテムも多く販売されるようになっていますよ。
ナイロン素材の、圧をかけたりした場合に元に戻ろうとする性質である弾力性を活かし、衣服やバッグ、スポーツウェアなどに多く使用されています。
弾力性によって型崩れもしにくいために、ポーチなどといった小物にも多く使われています。
耐久性の高いナイロンは、引っ張っても破れにくいです。
そのうえ、水や油にも強い。
それだけでなく海水にも強いため、耐久性については他の繊維に引けを取りません。
カビや薬品にも強いため、万一カビが生えた場合も、酸素系漂白剤やエタノール液などで落とすことが可能です。
同じ化学繊維のポリエステルも耐久性には非常に優れていますが、ポリエステルは衝撃に強くナイロンは弾力性により引っ張りに強いと言われています。
ポリエステルとの違いについては詳しく後述しますね。
上述した、水や油・海水や薬品・カビといった多くの外的影響に強いため、手入れが非常に簡単と言われています。
水洗いや洗濯をして、正しく保管・管理をしていれば、虫食いの被害にあう可能性も極めて低いです。
また、洗濯による色移りや縮み・しわにもなりにくいとされています。
そうしたことから、レイングッズに使用されることも多いですし、スポーツ用品やアウトドア・ビジネスアイテム・日用品にまで幅広くに取り入れられる人気の素材です。
メリットの多いナイロンですが、デメリットもあります。
以下の3つについて、解説します。
吸湿性が低いとは、水分を吸い取りにくいことをいいます。
そのため、肌に直接触れるインナーには不向きですし、汗をかきやすい夏場の衣服にも向いていません。
デメリットである特性を知って、コーディネート選びに活かしてくださいね。
乾燥機の利用による変形や、アイロンなどの高温器具の利用による変形に注意が必要で、場合によっては溶けてしまうこともあります。
対策としては、アイロンや乾燥機はできるだけ避けることです。
どうしてもアイロンを必要とするときには、あて布やタオルなどを使い低温で行いましょう。
※アイロンでの低温とは、90〜110度程度のことをいいます。
また、必要であればクリーニング業者に相談をしてみることもおすすめします。
白色や白色に近い色味のナイロンは、紫外線や直射日光によって生地そのものが黄色く変色してしまう場合もあります。
ナイロンの多くは洗濯が可能ですが、乾かすときは直射日光を避け風通しのいい日陰を選ぶようにしましょう。
干す場所を選ばないと、変色に繋がることもあります。
とくに空気が乾燥している冬場には静電気が起きやすいですし、コーディネートの組み合わせによっても静電気が発生しやすくなります。
あらかじめ静電気に気を付けたい場合は、素材の組み合わせについて覚えておきましょう。
ナイロンとポリエステルの間には静電気が起こりやすく、反対に綿や麻、シルクやウールといった天然繊維同士の間では静電気が起きにくいです。
「ナイロン製品の取り扱い注意点」についてお伝えします。
ポイントは以下2点です。
ただ、生地に他素材が混ざっている場合は洗濯方法が変わってくる場合もあるため、必ず品質表記を確認するようにしましょう。
また、バッグや高性能アウターなどは、変形・パーツの破損などが起こってしまう場合もあります。
「洗濯機でまわして、大丈夫かな」と心配に思う場合は、手洗い・またはクリーニング業者への依頼をおすすめします。
以下、洗剤と乾燥の注意点です。
【洗剤】
日常の洗濯であれば、一般的によく使われている「中性洗剤」をお使いください。
中性洗剤は生地への負担も少ないです。
スポーツなどによる頑固な汚れには「弱アルカリ性洗剤」を使用しても問題はありません。
アルカリ洗剤は汚れを落とす力が強いですが、生地を傷めやすいといった欠点があります。
ナイロンはアルカリにも強い素材のために、弱アルカリ性洗剤が使用できます。
ただ、洗濯表記は必ず見るようにしてくださいね。
【乾燥】
上述した「デメリット2:熱に弱い」「デメリット3:黄ばみ、色褪せが起こる」においてもお伝えしましたが、ナイロンは熱に弱いため乾燥機の使用やアイロンの使用により、生地が変形しやすいです。
直射日光による乾燥で変色が起こる可能性も高いです。
風通しの良い場所での日陰干しをするように心掛けましょう。
ナイロンは防虫カバーをかけて保管することで、カバーとナイロンが接触していた部分に「黄ばみ」を起こしてしまうことがあります。
原因は防虫カバーに含まれる酸化防止剤によるもので、中に含まれる酸化窒素ガスが黄ばみを引き起こしています。
とはいえ「虫食いが気になる」といった場合でも問題ありません。
ナイロンは化学繊維のために、虫が好んで食べるたんぱく質を含んでいません。
ナイロンは害虫にとても強いのです。
保管方法は、お手入れ用のブラシなどでホコリや汚れを落とす程度で問題ありません。
ナイロン生地のメリットやデメリット、取り扱いの注意点などをお伝えしてきました。
ここまでのところで、ナイロン生地が比較的万能であることが分かったと思います。
しかし吸湿性が低いなどといったデメリットにより、インナーなど肌に直接触れるようなアイテムには向いていない場合もあります。
そのうえ、ナイロンは「布(天然素材や植物素材など)」と比べると縫製しにくい素材です。
ナイロン生地が向いている代表的なアイテムには、以下のようなものがあります。
ナイロンとポリエステルは同じ合成繊維で似通った点も多いため、2つの違いを詳しく知っている人は多くありません。
ここでは、混同されがちな「ナイロン」と「ポリエステル」のそれぞれを比較した特徴を紹介します。
※なお、吸水性や吸湿性、軽量性はともに優れています。
【ポリエステルの方が優れている特性】
【ナイロンの方が優れている特性】
実際に、製品として加工されるときには多くの化学物質を繊維に混ぜたりするために、絶対的な向き不向きを素材のみで決めるのは難しいとも言えます。
用途としてポリエステルは、速乾性や吸水性があることからワイシャツ、ブラウス、スカートやパンツ、夏用のインナーといった日頃から身に付けるものに多く使用されています。
ナイロンは摩擦や摩耗に非常に強く、化学繊維のなかで一番の強度です。
その特性を利用して、アウターやスポーツ用品、鞄や小物に多く使用されています。
使用していく中の違いや見分け方としては、ポリエステルは毛玉になりやすく汚れが落ちにくいのに比べ、ナイロンは毛玉になりにくく汚れも落ちやすい場合が多いです。
科学的な観点においての、ポリエステルとナイロンの見分け方は「燃焼」です。
たとえばですが「バーベキューをしているときに生地に火が燃え移ってしまった」といった緊急時に、ナイロンとポリエステルの違いはとてもよく分かります。
ポリエステルはすぐに燃えてしまうのに対し、ナイロンは溶けながらゆっくりと燃え、火から遠ざけることで燃え続けることができない素材となっています。
いずれにしても素材が気になる場合は、購入の際に品質表示を確認するようにしましょう。
最後にデニールについて、解説しておきたいと思います。
タイツやストッキング、アウトドア用品を購入するときによく見かけるデニール。
デニールの数字が増えれば厚くなるといった認識の方が多いかと思います。
それで間違いありません。
正確には、デニールとは「繊維の太さを表す単位」として使われています。
とくに、今回紹介しているナイロンやポリエステルといった合成繊維では「D」の単位を用いて
【9,000mで1gの糸=1D】として使われています。
具体的には80D(デニール)の場合は9,000mで80gの重さの糸を使用することをいい、120D(デニール)の場合は9,000mで120gの重さの糸を使っていることをいいます。
今回は「ナイロン生地の特徴」について、メリットやデメリット・注意点やナイロン生地が向いているアイテムやよく耳にする「デニール」についてお伝えしてまいりました。
ナイロン生地は、水や汚れ、衝撃に強く洗濯もできるために、とても万能な生地として長く使うことができます。
ただ、熱には弱いため、乾燥機の使用や直射日光に当てての乾燥には注意してください。
丈夫でお手入れしやすく、ひとつのものを長く使いたいと思う方はナイロン生地の取り入れられたアイテムを探すといいかもしれませんね。
ナイロンは、多くの衣類やカバンに使われています。
この記事で紹介する「ナイロンについて」を知れば、誰でも簡単にナイロンのお手入れや、今後ナイロン生地のアイテムを購入するときに役立てることができるようになりますよ。
今回は、ナイロンとは何かを説明した後にナイロンのメリット・デメリット、取り扱いの注意点やナイロンが向いているアイテムについても紹介します。
さらに、ポリエステルとの違いやよく見かける表記のデニールについても解説しています。
この記事を読み終えると、今後は「素材の表記」を確認し使用用途に合わせて、お気に入りのアイテム選びができるようになりますよ。
ナイロン生地とは
ナイロン生地とは、主に石油を原料とした世界初の合成繊維のことです。
繊維については細かく分けると非常に多岐に渡りますが、主には天然素材を使用した「天然繊維」と、化学的に合成・加工した「化学繊維」の2つに分けられます。
「天然繊維」で知名度が高いのは麻や綿などの「植物繊維」や、シルクやウールなどの「動物繊維」です。
「化学繊維」は原料と製造方法を元に、主に以下の4つに分類されます。
- 合成繊維
- 再生繊維
- 半合成繊維
- 無機繊維
合成繊維はナイロン以外に、ポリエステル・ウレタン・アクリルなどがあります。
合成繊維のほとんどが、身近なものに使われているため耳にしたことがあるのではないでしょうか。
ナイロンは、開発間もないころは女性用ストッキングなどに使用されていました。
その後、特性を活かし開発を重ね、アウトドアウェアやバッグ、インナーや雨具と、非常に多くの製品に利用されています。
ナイロンの特徴|メリット
ナイロンのメリットは、以下となります。
- 摩擦に強い
- 軽い
- 弾力性がある
- 耐久性が高い
- お手入れがしやすい
メリット1:摩擦に強い
ナイロンの特徴に摩擦への強さがあり、その強度は綿のおよそ10倍と言われています。同じ化学繊維のポリエステルも摩擦に強いとされていますが、摩擦の観点ではナイロンの方が強度が高く、多くのアイテムに使用されています。
そのため、摩擦の負担がかかりやすいアウトドア用品やスポーツグッズにも多用されています。
メリット2:軽い
ナイロン素材は、とにかく軽いです。一般的に軽いと言われている天然繊維を使用した製品よりも格段に軽く、ポリエステルと比較してもナイロンの方が若干軽いです。
この軽さが、スポーツウェアやバッグなどとの相性がよいとされ、重宝されている理由のひとつです。
またスポーツだけに限らず、ビジネスシーンにおいても軽さを求める人が増えています。
ナイロン素材を使用した、オフィスカジュアルとなるアイテムも多く販売されるようになっていますよ。
メリット3:弾力性がある
ナイロンには弾力性もあります。ナイロン素材の、圧をかけたりした場合に元に戻ろうとする性質である弾力性を活かし、衣服やバッグ、スポーツウェアなどに多く使用されています。
弾力性によって型崩れもしにくいために、ポーチなどといった小物にも多く使われています。
メリット4:耐久性が高い
既にお気づきかと思いますが「摩擦に強く」「弾力性がある」ナイロン素材は耐久性にも優れています。耐久性の高いナイロンは、引っ張っても破れにくいです。
そのうえ、水や油にも強い。
それだけでなく海水にも強いため、耐久性については他の繊維に引けを取りません。
カビや薬品にも強いため、万一カビが生えた場合も、酸素系漂白剤やエタノール液などで落とすことが可能です。
同じ化学繊維のポリエステルも耐久性には非常に優れていますが、ポリエステルは衝撃に強くナイロンは弾力性により引っ張りに強いと言われています。
ポリエステルとの違いについては詳しく後述しますね。
メリット5:お手入れがしやすい
ナイロンはお手入れもしやすいです。上述した、水や油・海水や薬品・カビといった多くの外的影響に強いため、手入れが非常に簡単と言われています。
水洗いや洗濯をして、正しく保管・管理をしていれば、虫食いの被害にあう可能性も極めて低いです。
また、洗濯による色移りや縮み・しわにもなりにくいとされています。
そうしたことから、レイングッズに使用されることも多いですし、スポーツ用品やアウトドア・ビジネスアイテム・日用品にまで幅広くに取り入れられる人気の素材です。
ナイロンの特徴|デメリット
メリットの多いナイロンですが、デメリットもあります。
以下の3つについて、解説します。
- 吸湿性が低い
- 熱に弱い
- 黄ばみ、色褪せが起こる
デメリット1:吸湿性が低い
ナイロン素材は、吸湿性が低いというデメリットがあります。吸湿性が低いとは、水分を吸い取りにくいことをいいます。
そのため、肌に直接触れるインナーには不向きですし、汗をかきやすい夏場の衣服にも向いていません。
デメリットである特性を知って、コーディネート選びに活かしてくださいね。
デメリット2:熱に弱い
ナイロン素材は熱に弱いです。乾燥機の利用による変形や、アイロンなどの高温器具の利用による変形に注意が必要で、場合によっては溶けてしまうこともあります。
対策としては、アイロンや乾燥機はできるだけ避けることです。
どうしてもアイロンを必要とするときには、あて布やタオルなどを使い低温で行いましょう。
※アイロンでの低温とは、90〜110度程度のことをいいます。
また、必要であればクリーニング業者に相談をしてみることもおすすめします。
デメリット3:黄ばみ、色褪せが起こる
ナイロン素材は熱に弱いとお伝えしましたが、それも起因の一部となり、直射日光に充てて干した場合などに、黄ばみや色汗が起こることがあります。白色や白色に近い色味のナイロンは、紫外線や直射日光によって生地そのものが黄色く変色してしまう場合もあります。
ナイロンの多くは洗濯が可能ですが、乾かすときは直射日光を避け風通しのいい日陰を選ぶようにしましょう。
干す場所を選ばないと、変色に繋がることもあります。
デメリット4:静電気が起きやすい
ナイロン素材には、帯電しやすく静電気が起きやすいという特徴もあります。とくに空気が乾燥している冬場には静電気が起きやすいですし、コーディネートの組み合わせによっても静電気が発生しやすくなります。
あらかじめ静電気に気を付けたい場合は、素材の組み合わせについて覚えておきましょう。
ナイロンとポリエステルの間には静電気が起こりやすく、反対に綿や麻、シルクやウールといった天然繊維同士の間では静電気が起きにくいです。
ナイロン|取り扱い注意点
「ナイロン製品の取り扱い注意点」についてお伝えします。
ポイントは以下2点です。
- ナイロンのお手入れの仕方に注意
- ナイロンの保管方法に注意
ナイロンのお手入れの仕方に注意
ナイロンは自宅で水洗いすることが可能です。ただ、生地に他素材が混ざっている場合は洗濯方法が変わってくる場合もあるため、必ず品質表記を確認するようにしましょう。
また、バッグや高性能アウターなどは、変形・パーツの破損などが起こってしまう場合もあります。
「洗濯機でまわして、大丈夫かな」と心配に思う場合は、手洗い・またはクリーニング業者への依頼をおすすめします。
以下、洗剤と乾燥の注意点です。
【洗剤】
日常の洗濯であれば、一般的によく使われている「中性洗剤」をお使いください。
中性洗剤は生地への負担も少ないです。
スポーツなどによる頑固な汚れには「弱アルカリ性洗剤」を使用しても問題はありません。
アルカリ洗剤は汚れを落とす力が強いですが、生地を傷めやすいといった欠点があります。
ナイロンはアルカリにも強い素材のために、弱アルカリ性洗剤が使用できます。
ただ、洗濯表記は必ず見るようにしてくださいね。
【乾燥】
上述した「デメリット2:熱に弱い」「デメリット3:黄ばみ、色褪せが起こる」においてもお伝えしましたが、ナイロンは熱に弱いため乾燥機の使用やアイロンの使用により、生地が変形しやすいです。
直射日光による乾燥で変色が起こる可能性も高いです。
風通しの良い場所での日陰干しをするように心掛けましょう。
ナイロンの保管方法に注意
ナイロン生地の保管方法における注意点は「防虫カバーはしない」ということです。ナイロンは防虫カバーをかけて保管することで、カバーとナイロンが接触していた部分に「黄ばみ」を起こしてしまうことがあります。
原因は防虫カバーに含まれる酸化防止剤によるもので、中に含まれる酸化窒素ガスが黄ばみを引き起こしています。
とはいえ「虫食いが気になる」といった場合でも問題ありません。
ナイロンは化学繊維のために、虫が好んで食べるたんぱく質を含んでいません。
ナイロンは害虫にとても強いのです。
保管方法は、お手入れ用のブラシなどでホコリや汚れを落とす程度で問題ありません。
ナイロンの使用が向いているアイテム
ナイロン生地のメリットやデメリット、取り扱いの注意点などをお伝えしてきました。
ここまでのところで、ナイロン生地が比較的万能であることが分かったと思います。
しかし吸湿性が低いなどといったデメリットにより、インナーなど肌に直接触れるようなアイテムには向いていない場合もあります。
そのうえ、ナイロンは「布(天然素材や植物素材など)」と比べると縫製しにくい素材です。
ナイロン生地が向いている代表的なアイテムには、以下のようなものがあります。
- スポーツウェア
- アウターウェア
- レイングッズ
- バッグ
- ポーチ・財布・ペンケースなどの小物類
ポリエステルとの違い
ナイロンとポリエステルは同じ合成繊維で似通った点も多いため、2つの違いを詳しく知っている人は多くありません。
ここでは、混同されがちな「ナイロン」と「ポリエステル」のそれぞれを比較した特徴を紹介します。
ポリエステルとナイロン|吸水性・吸湿性・速乾性・耐熱・強度などの特性
以下、ポリエステルとナイロンを比較したときに優れている主な特徴を取り上げていきたいと思います。※なお、吸水性や吸湿性、軽量性はともに優れています。
【ポリエステルの方が優れている特性】
- 速乾性
- 耐熱性
- 耐衝撃性
- 耐薬品性(アルカリ性には弱い)
- ガラスバリア性(気体を通さない)
【ナイロンの方が優れている特性】
- 摩擦への耐性
- 摩耗への耐性
- 収縮性
- 耐久性
- 難燃性
- 耐薬品性(酸性には弱い)
実際に、製品として加工されるときには多くの化学物質を繊維に混ぜたりするために、絶対的な向き不向きを素材のみで決めるのは難しいとも言えます。
用途としてポリエステルは、速乾性や吸水性があることからワイシャツ、ブラウス、スカートやパンツ、夏用のインナーといった日頃から身に付けるものに多く使用されています。
ナイロンは摩擦や摩耗に非常に強く、化学繊維のなかで一番の強度です。
その特性を利用して、アウターやスポーツ用品、鞄や小物に多く使用されています。
ポリエステルとナイロン|見分け方
とても似通っている2つの素材ですが、購入時の違いとしてナイロンの方がポリエステルに比べて価格が高い場合が多いです。使用していく中の違いや見分け方としては、ポリエステルは毛玉になりやすく汚れが落ちにくいのに比べ、ナイロンは毛玉になりにくく汚れも落ちやすい場合が多いです。
科学的な観点においての、ポリエステルとナイロンの見分け方は「燃焼」です。
たとえばですが「バーベキューをしているときに生地に火が燃え移ってしまった」といった緊急時に、ナイロンとポリエステルの違いはとてもよく分かります。
ポリエステルはすぐに燃えてしまうのに対し、ナイロンは溶けながらゆっくりと燃え、火から遠ざけることで燃え続けることができない素材となっています。
いずれにしても素材が気になる場合は、購入の際に品質表示を確認するようにしましょう。
ナイロンやポリエステルに表記されているデニールとは?
最後にデニールについて、解説しておきたいと思います。
タイツやストッキング、アウトドア用品を購入するときによく見かけるデニール。
デニールの数字が増えれば厚くなるといった認識の方が多いかと思います。
それで間違いありません。
正確には、デニールとは「繊維の太さを表す単位」として使われています。
とくに、今回紹介しているナイロンやポリエステルといった合成繊維では「D」の単位を用いて
【9,000mで1gの糸=1D】として使われています。
具体的には80D(デニール)の場合は9,000mで80gの重さの糸を使用することをいい、120D(デニール)の場合は9,000mで120gの重さの糸を使っていることをいいます。
まとめ
今回は「ナイロン生地の特徴」について、メリットやデメリット・注意点やナイロン生地が向いているアイテムやよく耳にする「デニール」についてお伝えしてまいりました。
ナイロン生地は、水や汚れ、衝撃に強く洗濯もできるために、とても万能な生地として長く使うことができます。
ただ、熱には弱いため、乾燥機の使用や直射日光に当てての乾燥には注意してください。
丈夫でお手入れしやすく、ひとつのものを長く使いたいと思う方はナイロン生地の取り入れられたアイテムを探すといいかもしれませんね。