天然皮革の傷について
TRANSICで扱うほとんどの製品には、素材に天然皮革を使用しています。
天然皮革は丈夫で長持ち、時間の経過とともに変化が楽しめるなど、素材としての魅力が多い反面、避けられないのが「傷」や「シワ」です。
製品上の傷やシワは、マイナス要素として捉える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、天然皮革においては表情を豊かにしてくれる一面もあり、“個性”といえるのも事実です。
そもそも、なぜ天然皮革には傷やシワがついているのでしょうか。
動物から取られた「皮」は、時間が経つと硬くなり腐敗するため、そのままでは製品に使えません。
そこで、樹液や薬品を使ってコラーゲン繊維を結合させる「なめし(鞣し)加工」をおこないます。
なめし加工によって皮は耐腐敗性や耐水性、耐熱性、柔軟性を備え、カバンや小物などが作れる素材へと変化します。
合成皮革は生地に合成樹脂をコーティング、または染み込ませて作られるため、意図的でなければ素材の表面に傷がつくことは基本的にありません。
一方で、天然皮革は私たちと同じ生き物を元とする素材です。
私たち1人1人の皮膚の特徴が違うように天然皮革にも個体差があり、傷や毛穴、伸縮性など、革1枚1枚がもつ表情は異なります。
たとえば、枝などによる引っかき傷や虫刺されの痕、血管の痕など、生きていくなかで自然につく傷は多くあります。
なめしの加工方法や仕上げ方によってある程度傷を隠すことは可能ですが、表面を覆えば覆うほど、革本来の風合いは失われます。
そのため「傷が残っている」ということは、「革の風合いがそのまま楽しめる」ことの裏返しでもあるのです。
たとえ同じように加工しても、合成皮革のように均一に仕上がらないところもまた、天然皮革の良さといえますね。
どれも生きていたからこそつく傷であり、“本物の革”である証明として味わい深いものへと変化します。
傷とはいえ表面からはスジが入っているようにしか見えないので、薄いものであれば気づかないこともあるかもしれません。
とくに皮膚と血管の間が近い部分や皮膚の薄い部分、太い血管ほど痕が残りやすく、イナズマや葉脈のような見た目をしています。
血筋は時間経過によって変化がわかりやすく、“天然皮革の個性”として楽しめるのも大きな魅力です。
とくに首回りなどのシワが寄りやすい部分に多く、首〜肩(ショルダー付近)の部位を使った製品によくみられます。
トラは「傷」というネガティブな印象とは逆に、縞模様を生かしたデザインとして取り入れられることもあるほど。
また、トラが入っているショルダー付近は、よく動かされていたことから柔軟で強度が高いといわれています。
放牧されている牛や豚、馬などが何かに接触して傷つくことは、めずらしいことではありません。
爪で引っかいたような痕が残るのが一般的で、表面に細い線のように見えます。
深いバラ傷は革を薄くする「すき加工」の際に穴があくこともあり、問題がある部分は製造時に取り除かれます。
また、外で生活する動物は虫に刺されることも多く、小さな斑点として残ることもあります。
動物の皮膚は部位によって繊維の密度や絡まり具合が異なるため、同じ染料で同じように染めても均一には仕上がりません。
加工段階だけでなく、素材となる動物の年齢や性別、時期、気温など、さまざまな要因によって色の出方は異なります。
また、1枚の革の中でも染まり方には差が生じますし、まったく同じムラを作り出すことはできません。
自然にできる色ムラによる陰影は、天然皮革がもつ色合いに奥行きをもたせ、表情をより豊かにしてくれているといえるでしょう。
たとえば、内側で縫い合わせる仕様のカバンには「表にひっくり返す」という作業が欠かせません。
柔らかい革であればしなやかに返せますが、硬い革ほどシワが入りやすくなります。
これはどんな熟練の職人がおこなっても避けられませんし、“手作りである証”ともいえます。
強度が落ちるなどの影響がないシワやミシン跡などに関しては、手作りの特性としてご理解いただけますと幸いです。
なお、革になったあとについた傷や、製造過程でついた傷については、返品・交換対象になるケースもありますので、気になることがあればカスタマーサービスへお問い合わせください。
TRANSICでは、傷やシワを含めた天然皮革の魅力を存分にお楽しみいただけるよう、これからも製品づくりをおこなっていきます。
天然皮革は丈夫で長持ち、時間の経過とともに変化が楽しめるなど、素材としての魅力が多い反面、避けられないのが「傷」や「シワ」です。
製品上の傷やシワは、マイナス要素として捉える方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、天然皮革においては表情を豊かにしてくれる一面もあり、“個性”といえるのも事実です。
そもそも、なぜ天然皮革には傷やシワがついているのでしょうか。
天然皮革とは?
天然皮革は、牛や豚、馬、羊などの皮を加工して作られる素材で、「本革」とも呼ばれています。動物から取られた「皮」は、時間が経つと硬くなり腐敗するため、そのままでは製品に使えません。
そこで、樹液や薬品を使ってコラーゲン繊維を結合させる「なめし(鞣し)加工」をおこないます。
なめし加工によって皮は耐腐敗性や耐水性、耐熱性、柔軟性を備え、カバンや小物などが作れる素材へと変化します。
天然皮革と合成皮革
天然皮革は動物の皮を原料としているものに対し、合成皮革は「ポリ塩化ビニール(PVC)」や「ポリウレタン」などを使って、人工的に作られた素材です。合成皮革は生地に合成樹脂をコーティング、または染み込ませて作られるため、意図的でなければ素材の表面に傷がつくことは基本的にありません。
一方で、天然皮革は私たちと同じ生き物を元とする素材です。
私たち1人1人の皮膚の特徴が違うように天然皮革にも個体差があり、傷や毛穴、伸縮性など、革1枚1枚がもつ表情は異なります。
傷は天然皮革の個性
天然皮革についている傷は、素材となった動物の「生活の痕」と言い換えることもできます。たとえば、枝などによる引っかき傷や虫刺されの痕、血管の痕など、生きていくなかで自然につく傷は多くあります。
なめしの加工方法や仕上げ方によってある程度傷を隠すことは可能ですが、表面を覆えば覆うほど、革本来の風合いは失われます。
そのため「傷が残っている」ということは、「革の風合いがそのまま楽しめる」ことの裏返しでもあるのです。
たとえ同じように加工しても、合成皮革のように均一に仕上がらないところもまた、天然皮革の良さといえますね。
天然皮革の傷の種類
天然皮革の傷には、いくつかの種類があります。どれも生きていたからこそつく傷であり、“本物の革”である証明として味わい深いものへと変化します。
血筋
血筋は皮膚の下を通っていた血管の痕が残ったもので、天然素材ならではの特徴といえます。傷とはいえ表面からはスジが入っているようにしか見えないので、薄いものであれば気づかないこともあるかもしれません。
とくに皮膚と血管の間が近い部分や皮膚の薄い部分、太い血管ほど痕が残りやすく、イナズマや葉脈のような見た目をしています。
血筋は時間経過によって変化がわかりやすく、“天然皮革の個性”として楽しめるのも大きな魅力です。
トラ
トラは深いシワが残ったもので、縞模様のように一定方向に線が入ります。とくに首回りなどのシワが寄りやすい部分に多く、首〜肩(ショルダー付近)の部位を使った製品によくみられます。
トラは「傷」というネガティブな印象とは逆に、縞模様を生かしたデザインとして取り入れられることもあるほど。
また、トラが入っているショルダー付近は、よく動かされていたことから柔軟で強度が高いといわれています。
バラ傷・虫刺され
バラ傷は囲われている柵や木の枝、一緒に生活する他の動物との接触などによって残った傷のことです。放牧されている牛や豚、馬などが何かに接触して傷つくことは、めずらしいことではありません。
爪で引っかいたような痕が残るのが一般的で、表面に細い線のように見えます。
深いバラ傷は革を薄くする「すき加工」の際に穴があくこともあり、問題がある部分は製造時に取り除かれます。
また、外で生活する動物は虫に刺されることも多く、小さな斑点として残ることもあります。
色ムラ
色ムラは、皮を加工する際に使う染料がムラ(まだら)になったものを指します。動物の皮膚は部位によって繊維の密度や絡まり具合が異なるため、同じ染料で同じように染めても均一には仕上がりません。
加工段階だけでなく、素材となる動物の年齢や性別、時期、気温など、さまざまな要因によって色の出方は異なります。
また、1枚の革の中でも染まり方には差が生じますし、まったく同じムラを作り出すことはできません。
自然にできる色ムラによる陰影は、天然皮革がもつ色合いに奥行きをもたせ、表情をより豊かにしてくれているといえるでしょう。
TRANSIC製品における天然皮革の傷について
TRANSICでは、SDGsにもある「つくる責任 つかう責任」に本気で取り組んでおり、ゴミを増やさないものづくりを常に意識しています。
そのため、製造や使用に問題のない天然皮革の傷に関しては、廃棄せず使い切るようにしています。
もちろん革の検品段階で破れや劣化につながる恐れがあるなど、耐久性に関わる傷については省いていますが、それ以外の傷は不良品の対象にはしておりません。
すべての傷を取り除くことは難しく、また、不必要に傷部分を廃棄することはゴミを増やすことになります。
むしろ天然皮革の傷は時間の流れが刻み込まれたものであり、“革本来の風合い”を表現する要素としてお楽しみいただければ嬉しいです。
製造過程で生じる傷について
TRANSICの製品は1つ1つ職人の手によって作られており、製造過程で避けられない傷やあたり(パーツの形が浮き出ること)がつくこともあります。たとえば、内側で縫い合わせる仕様のカバンには「表にひっくり返す」という作業が欠かせません。
柔らかい革であればしなやかに返せますが、硬い革ほどシワが入りやすくなります。
これはどんな熟練の職人がおこなっても避けられませんし、“手作りである証”ともいえます。
強度が落ちるなどの影響がないシワやミシン跡などに関しては、手作りの特性としてご理解いただけますと幸いです。
なお、革になったあとについた傷や、製造過程でついた傷については、返品・交換対象になるケースもありますので、気になることがあればカスタマーサービスへお問い合わせください。
TRANSICでは、傷やシワを含めた天然皮革の魅力を存分にお楽しみいただけるよう、これからも製品づくりをおこなっていきます。