TRANSICでは持続可能な製品・サービスを提供できるよう、環境問題について企業としてできることを常に考えてきました。
ものが溢れる今の時代において、過剰生産や大量廃棄は地球規模で考えなければならない大きな問題となっています。

そこで、TRANSICでは製品の企画から素材の選定、製品の輸送方法、さらに業務に関する身近なことについても、環境保全を視野に入れた取り組みを実践しています。


TRANSICでおこなっている持続可能な製品・サービスづくりについて

本革のブリーフケース近年ますます重視される『SDGs』ですが、具体的な課題と目標を示した『SDGs17の目標』をご存知でしょうか。

『SDGs17の目標』は、私たちがこれからも長く地球に住み続けられるよう、2030年までに達成すべき課題とゴールを設定したものです。

17個ある目標は人権や経済、社会、地球環境など多岐にわたりますが、TRANSICでは以下の3つの分野で目標達成に向けて取り組んでいます。

  • 【05】ジェンダー平等を実現しよう
  • 【12】つくる責任 つかう責任
  • 【13】気候変動に具体的な対策を
TRANSICでは、ものを作り販売する立場として【12】と【13】の分野で、環境に配慮した取り組みをおこなっています。

SDGs17の目標

【12】つくる責任 つかう責任

TRANSICで扱う製品の多くは天然皮革を使用しています。
天然皮革という素材は生き物からとられたものであり、無限に製造できるものではありません。
そのため、地球上にある限られた資源を大切にしながら、効率よく製品を作ることは、環境への大きな配慮になると考えています。

TRANSICでは、傷やヨレのある製品も「B品」や「アウトレット品」として価格を下げて提供しています。

当然ながら使用に問題のある製品は販売しておりませんが、販売前の検品では機能的に問題がない製品であっても、「傷やヨレがある」など見た目だけの理由で廃棄されることも少なくありません。

しかし、本来であればそれは十分お使いいただけるもの。

貴重な資源を無駄にしないためにも価格を下げて販売することで、できるだけ廃棄しないという方法を選び、「つくる責任」を果たすことに努めています。

また、バッグをメインにレンタルサービスをおこなっています。
ゴミを出してしまう「消費」ではなく、使用頻度の少ないものを必要な時だけ「レンタル」してご使用いただくことで、環境への配慮につなげたいと考えたことが背景にあります。

過剰生産・破棄によってもらたらされる「資源の枯渇」は、今を生きる私たちが考えていかなければならない大きなテーマのひとつだと言えます。

限られた資源(=革)を少しでも長く大切に使っていただきたい。
そのためにTRANSICでは様々な取り組みや情報の発信をおこなっています。

例えば、革製品のメンテナンス情報の発信。

天然皮革は耐久性が高く丈夫な素材で、正しくお手入れすると数十年使用できます。

革は人間の皮膚と同じように乾燥するとヒビ割れをおこしてしまうため、クリームを塗って保湿するなどのお手入れが欠かせません。

なかには「めんどうくさい」と考える方もおられるかもしれませんが、お手入れすることや変化を楽しむことによって、きっと少しずつ愛着が増してくるでしょう。

TRANSICでは初めて革カバンを購入する方や、革の正しいお手入れ方法を知りたい方に向けて、メンテナンス方法や豆知識になる情報をたくさん発信しています。

ぜひそちらもご覧いただき、末長く革製品を楽しんでいただければ幸いです。

革製品や鞄の基礎知識・コラム

またTRANSICでは修理サービスも行っています。
ハンドル(持ち手)の交換や内布の破れなど、修理によってさらに長くお使いいただくことが可能な場合もあります。
愛着のある革製品を手放す前に一度ご相談ください。

お問い合わせはこちらから

【13】気候変動に具体的な対策を

私たちが便利な生活を追い求めた結果、石炭や石油、ガスなどの化石燃料に頼ることで地球規模の問題である、気候変動を引き起こしてしまいました。
これは、ヨーロッパ・アジアで製品を作って日本に輸入、販売しているTRANSICの一連の事業とも無関係ではありません。

ヨーロッパ・アジアで完成した製品を日本へ運ぶ際には海上輸送(船便)を使っています。

空輸ではなく海上輸送を使うと時間がかかってしまうのですが、

  • 一度に多くの製品を運べる
  • CO₂の排出量をおさえられる

などのメリットがあり、環境を守ることにつながると考えているからです。

少しでも空気を運ばないようにできるだけ小さく配送できるよう梱包に工夫したり、あんこ(バッグの中の詰め物)の紙をやめて違うものにできないか思案したりするなど、紙やカーボンを減らす取り組みを常に考えています。

このように、TRANSICでは製造〜輸送〜販売という幅広い工程において「私たちにできること」を考え、可能な限り取り組んでいます。


天然皮革はエコロジー

天然皮革
環境への取り組みを考えるとき、やはり重要なのがTRANSICで多く扱っている天然皮革についてです。

天然皮革は昔から人と密接な関係にある素材で、“理にかなっている”といえる部分が多いです。

現在TRANSICでは多くの製品で、植物を使ってなめした「ベジタブルタンニンレザー(天然皮革)」を使用。
(なめし・・「皮」から「革」へと処理加工すること)

それは、以下の2つの観点から天然皮革が環境にやさしい素材であると考えているからです。

土に還る

100%植物性タンニンなめしの革は99%土に還ると言われています。

タンニンなめしは植物の樹皮から抽出した成分(タンニン)を使って加工する方法で、そのタンニンでなめされた革は自然素材のみ使用されているため土に還ると考えられています。

TRANSICで扱うベジタブルタンニンレザーも植物性の成分を使って革を作っているため、革の製造方法のなかでも環境負荷が少ないと言われています。

原皮は食用の残りから

多くの天然皮革は「牛」「豚」「馬」などの食用の残りを利用して作られています。

裏を返せば、原皮(加工前の革)を使わないということは、貴重な資源を大量に廃棄することになります。

世界中の食肉文化がある国や地域で「革」になるはずの原皮が捨てられていれば、それは環境に優しいとはいえませんよね。

天然皮革は食用の残りの“副産物”であり、貴重な資源を余すところなく使うことで、「できるだけ無駄をなくす」というエコに繋がると考えられています。

(※エキゾチックレザーなど一部食用以外の動物の革もあります)


TRANSICの今後の取り組みについて

森の中持続可能な環境づくりを考える上で、TRANSICでは今後「次世代レザー」を使用した商品開発に取り組む予定です。

次世代レザーとは環境や動物に配慮した革のことで、一定の基準を満たしたものや植物から作られたものなどが該当します。

企業としての利益追求だけでなく、品質を維持したままで環境に配慮した素材を活用することは、避けて通れない道だと考えています。

私たちは、地球上の自然からたくさんの恵みを受け取ってきました。

この豊かな自然を守るために、今後もTRANSICでは「私たちに何が出来るのか」を試行錯誤し、そして実践していきたいと思っています。

品質管理について