August 15, 2023お手入れ・ケア
【本革・フェイクレザー】革製品の臭いの取り除き方|臭いの原因や対策についても紹介
- 革製品の購入時の臭いが気になる
- 生活する中での臭いが気になりだした
こうした悩みによって「革製品の臭いを取り除く方法ってないかな」と思ってはいませんか。
革製品の臭いを取り除くためには、革アイテムを傷めないために正しい対処法が必要です。
今回は、ビジネスが楽しくなるバッグや革小物を国内外から取り揃えたオンラインセレクトショップのバイヤー・小寺が、臭いの取り除き方をお伝えしたのちに、臭いの原因や対策についても紹介します。
この記事で紹介する「革製品の臭いの取り除き方」を実践すると、革製品の臭いを自分で取ることができるようになりますし、今後臭いが付かないように対策することができるでしょう。
大切な革製品の臭い取りや正しい対処法を知って、今後もお気に入りアイテムとして大切に使ってください。
革製品の臭いを取り除く方法
さっそく、臭いの取り除き方7選をお伝えします。
- 風通しのよい場所で日陰干しをする
- 新聞紙を利用する
- ホワイトビネガー(酢)を利用する
- レザークリーム・レザークリーナーを利用する
- 重曹を利用する
- エイジングを加速させる(待つ)
- クリーニングに出す
1. 風通しのよい場所で日陰干しをする
今回ご紹介する中で1番簡単な方法となるのが「風通しのよい場所での日陰干しを利用した消臭方法」です。簡単で手間な作業がなく、革を傷めない消臭方法となりますのでおすすめですよ。
【準備するもの】
- 特になし
【消臭の手順】
- 直射日光のあたらない風通しの良い場所で、日陰干しする
- 革製品の臭いがなくなったと思うところまで、日陰干しを続ける
直射日光を避けた、間接的な紫外線を当ててあげることで消臭効果が期待できますよ。
そのうえ、日陰干しによる消臭作業は失敗が少ない上に手間もかかりません。
【注意点】
- 雨に濡れないように注意すること
- 革の種類によっては乾燥し過ぎると、ひび割れの原因となるため注意すること
※後述する革製品の消臭方法「エイジング」とも共通点がありますよ。
2. 新聞紙を利用する
次に紹介する方法は新聞紙を利用した方法です。紙のなかでもキメがあらく水分や臭いの吸収性の高い新聞紙は、革製品に付いてしまった臭いを強力に吸収してくれます。
さっそく新聞紙を活用して、革製品の臭いを取っていきましょう。
【準備するもの】
- 新聞紙
- 蓋付きの箱など(蓋が付いていればプラスチックケースなどでもOK)
消臭作業に取り掛かる前に注意・確認が必須な点があります。
必ず、新聞紙も革製品も乾いている状態で行いましょう。
【消臭の手順】
- カバンや靴などであれば新聞紙を丸めて内部に詰め、さらに外部も新聞紙で包む
- 財布などの小物であれば新聞紙で包むのみ
- 新聞紙を箱の中にも詰め、新聞紙で覆った革製品を箱の中に入れる
- 箱の蓋を閉めて1~2日置く
- 革製品の臭いが取れていないようであれば、新聞を取り換えさらに1日置く
新聞紙も消臭に日にちを要してしまいますが、とても簡単で費用もほとんどかからないおすすめの方法です。
3. ホワイトビネガー(酢)を利用
次は「ホワイトビネガー(酢)を利用した消臭方法」です。酢の中には酸が含まれており、酸には革製品の臭いを緩和してくれる作用があることが分かっています。
さっそく酢(ホワイトビネガー)の消臭力を活用して革製品の臭いを取っていきたいところではありますが、後述しています【注意点】を必ず読んでから実施するようにしてください。
【準備するもの】
- 酢(ホワイトビネガー)
- 水
- スプレーボトル
- お手入れ用クロスか柔らかい布
【消臭の手順】
- 酢と水を「1:1」の割合で混ぜ、酢液を作る
- 清潔なスプレーボトルに移す
- 必ず、革製品の目立たない部分へ酢液をつけ変色やひび割れがないかを確かめる
- 手順3で問題なければ、スプレーを革製品に遠くから吹き付ける
- クロスか柔らかい布で拭き取る
洗える革製品の場合のみとなりますが、臭いがまだ残っているようであればタライやジップロックを活用して酢液に5~10分間浸けてもよいでしょう。
このとき、カビの発生を予防するために風通しの良い日陰で完全に乾かすようにしましょう。
【注意点】
- 酢と革製品の臭いが混ざる(後に消える)
- 変色に注意(最初にチェックが必要)
- ひび割れに注意(最初にチェックが必要)
そのときの臭いを不快に感じる人もいると思いますが、酢をつけすぎなければ次第に臭いは消えていきます。
その他、酢によって変色とひび割れがおこることがありますので、最初に目立ちにくい裏の部分に少しだけ試してみて変色やひび割れがしないことを確認後に消臭作業を行ってください。
変色やひび割れに注意する必要がありますが、酢を活用するやり方もとても簡単で費用もかからないためおすすめです。
4. レザークリーム・レザークリーナーを利用する
次は「レザークリーム・レザークリーナーを利用した消臭方法」です。革製品専用のクリームやクリーナーの使用は製品の日常的なお手入れのためと思うかもしれませんが、お手入れ以外にも臭いを緩和させる効果を期待することができます。
【準備するもの】
- レザークリームまたはレザークリーナー
- お手入れ用クロス・柔らかい布
- 革製品専用のブラシ(多くは馬毛ブラシ)
【消臭の手順】
- 革製品専用のブラシ(多くは馬毛ブラシ)でホコリや汚れを落とす
- 乾いたお手入れ用クロス(柔らかい布)にレザークリームまたはレザークリーナーをつけ、革製品を拭く
【注意点】
- 革製品の種類によってはクリームやクリーナーが使えないアイテムもあるため、購入前に必ず確認する
その他の消臭対策に比べ、お手入れグッズを買うために費用が発生してしまいますが、お手持ちの革製品を長く愛用したいと考えている方は持っておいた方がいいアイテムですね。
5. 重曹を利用する
次は、お掃除するときのアイテムとして人気がある「重曹を利用した消臭方法」です。人気の理由のひとつとして消臭効果があげられます。
重曹の消臭力を活用して革製品の臭いを取っていきましょう。
【準備するもの】
- 重曹(100均のものでも問題はない)
- 不要になった靴下またはお茶の葉を入れるパック
- ビニール袋やポリ袋(革製品が入るほどの大きさ、且つ口が縛れる袋)例:ゴミ袋
【消臭の手順】
- 重曹を不要になった靴下や、お茶の葉を入れるパックに入れる(重曹が飛び出さないようにしましょう)
- 手順1のものをビニール袋(またはポリ袋)に入れる
- 手順2で用意した袋の中に、消臭したい革製品を入れる
- 袋の口をしっかり縛る
- 2~7日放置
【注意点】
- 革製品が小物でない場合(例えばカバンなど)は、手順1のものを革製品の中にも入れる
また、手順1で入れる重曹の量を増やすことも効果的です。
消臭に日にちを要してしまいますが、とても簡単で費用もほとんどかからないためおすすめの方法となります。
6. エイジングを加速する(待つ)
次は、「革のエイジングを利用した消臭方法」を紹介します。革製品を使用する中で染みついた臭いとは別に、革製品を購入したときの臭いが気になる人もいらっしゃるのではないでしょうか。
この臭いは革製品のエイジング(革の本来の味を出すこと)で時間とともに消えていきます。
また【風通しのよい場所で日陰干し】のところでもお伝えしましたが、使用する中で革に染み込んだ臭いも「革のエイジング」が進むことで消臭作業やクリームなどを使わずに、自然と臭いが取れる場合もあります。
本来の革というのは、使用することでエイジングが進み自然と臭いが取れることが多いアイテムなのです。
「エイジング」についてさらに詳しく知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
7. クリーニングに出す
最後の紹介となるのは「クリーニングに出す」といった専門業者に任せる消臭方法です。クリーニング業者によりますが、革製品のクリーニングを受け付けている業者は意外と多いもの。
メンテナンスを中心に行っている場合もあるため、必ず臭いが取れるかどうかは分からず、相談も必要となりますが「どうしても臭いを落としたい大切な一品」なのであれば利用してみる価値はあるでしょう。
料金も一般のクリーニングと比べると高めに設定されていることが多いので、相談時に料金についても確認してみましょう。
臭いの原因について
ここからは、革製品の臭いの原因について解説していきたいと思います。
臭いの原因を知って、予防に繋げていきましょう。
新品の臭い
上述した【革製品の臭いを取り除く方法7選|6.エイジングを加速する(待つ)】においてもお伝えしましたが、革製品は購入時から特有の匂いがします。これを「香り」とするのか「臭い」とするのかについては個人差がありますが、革製品を購入したときの特有の匂いというのは革の本来の臭いではありません。
皮から革へ加工するときの薬品の臭いなのです。
新品の臭いを不快と感じる場合は、日陰干しや、エイジングの加速を利用しての対処法が適しています。
汗の臭い
革製品は汗の臭いを吸い込んでしまいやすい特性があります。人間の体で手というのは汗をかきやすいようにできていますし、「カバン」「財布」「靴」「ブックカバー」といったよく手に持つものに革が使用されています。
そのことが臭いの原因となってしまうことも多いのです。
汗の臭いについては、酢(ホワイトビネガー)や重曹、クリームを利用して「お掃除」「お手入れ」としての対処法が適しています。
カビの臭い
革製品はカビも付きやすいアイテムとなります。季節的な湿気や雨によって、革製品が水を含んだり湿ってしまったりすることが大きな原因のひとつです。
水分を乾かさず放置しておくことによって、カビの原因となる雑菌が繁殖してしまうからです。
カビの場合は紹介したすべての対処法が適していますが、カビが付かないように予防することもとても重要です。
※湿気の予防法については詳しく後述します。
タバコの臭い
残念なことに、革製品はたばこの臭いも付きやすいもの。身近にタバコを吸う方がいたり、革製品の持ち主が喫煙者であれば、どうしてもタバコの臭いが革に付きやすくなってしまいます。
革に付いた臭いを放置すると、他のものにも臭いが移ってしまう場合もあります。
このように、革製品の臭いの原因はさまざまなところにあります。
そこで次からは、普段から出来る防臭対策について説明していきます。
普段から出来る防臭対策について
ここからは、日常的に行える防臭対策を紹介します。
革製品はとても臭いを吸収しやすいですし、長期に渡って残りやすいです。
しかし、臭いの付きやすさには必ず原因があります。
その原因に気を付けるだけで予防ができます。
ポイントは以下の3点となります。
- 湿気に気を付ける
- 濡れたらすぐに乾かす
- 革専用の防水スプレーを活用する
詳しく解説していきたいと思います。
湿気に気を付ける
革製品の臭いの原因の一つとして「湿気」があります。湿度がとても高い日本において、革製品を湿気から守るためのケアは必須とも言えます。
日常的な「対処法やケア方法」もとても重要なのですが、長期に渡るクローゼットへの保管においても、気を付ける必要があります。
クローゼット内は、どうしても湿気がこもりやすいですし、臭いが立ち込めてしまうことも。
しっかりとクローゼット内の湿気取りや虫食い予防・カビ予防の対策なども行いましょう。
- 市販の湿気取りや防臭剤を使う
- 炭や重曹を置く
- 定期的に今回紹介した臭い取りを活用して、メンテナンスを行う
クローゼット内の環境を整えることは、革製品だけでなくその他の手持ちのアイテムのケアにも繋がりますよ。
濡れたらすぐに乾かす
革製品の臭いの原因の一つとして「水濡れ」もあります。どんなに気を付けていても飲み物をこぼす場合もあれば、突然の雨に濡れてしまうこともあります。
水に濡れてしまった革製品を乾かさずに放置していると、カビの繁殖に繋がります。
カビの繁殖は後に臭いの原因となりますし、濡れたことで汗や外気の中の臭いが革に浸透する場合もあります。
その上、革の種類によっては水に濡れることで水ぶくれやシミとなってしまうこともあります。
革製品が濡れたら、すぐに乾かすように心掛けましょう。
革専用の防水スプレーを活用
革製品の臭いの予防として「湿気注意」「水濡れに注意」とお伝えしました。水や湿気にとても弱いことがお分かりいただけたと思います。
湿気や水に弱いという革製品の弱点をカバーする対策として、「革専用の防水スプレー」を活用するのが有効的です。
防水スプレーは1回の雨に対して1回スプレーを振るのが基本で、出かける30分~1時間前に振ると、スプレーが乾いて防水効果を発揮してくれます。
大切な革製品の臭いを予防するだけでなく、劣化や色落ちを防ぐためにも有効です。
注意点として、防水スプレーを振ると革製品の表面にバリアを作りますので、革の呼吸が妨げられてしまうことが挙げられます。
そのことで、クリームやクリーナーを使ってケアする際に、浸透が悪くなり革表面の硬化やひび割れの原因に繋がる場合もありますので、スプレーのかけ過ぎには注意してくださいね。
こちらは、撥水・撥油効果に優れているのでおすすめです。
1本持っていると安心ですよ。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
革製品の臭いについて多くのことを理解していただけたのではないかと思います。
今一度、今回の内容を振り返りましょう。
革製品の臭いの取り除き方について「準備するもの・手順・注意点」を中心に、以下のおすすめの7選を紹介しました。
- 風通しのよい場所で日陰干しをする
- 新聞紙を利用する
- ホワイトビネガー(酢)を利用する
- レザークリーム・レザークリーナーを利用する
- 重曹を利用する
- エイジングを加速する(待つ)
- クリーニングに出す
最後は日常的に行える防臭対策として、下記を紹介しています。
- 湿気に気を付ける
- 濡れたらすぐに乾かす
- 革専用の防水スプレーを活用する
革製品はお手入れさえすればかなり長きにわたって使用できますし、使用することで味が出て愛着が持てる人気のアイテムです。
ぜひ、臭い対策を取り入れてお気に入りのアイテムを長く愛用してくださいね。