2021年 12月 17日革・素材
革にもランクがある?身近な牛革の種類をアイテム別に紹介
鞄や財布を買い替えたい方におすすめなのが、使うほどに味わい深く変化していく革製品です。
シンプルで上質な革製品の魅力は、使い込んでいくうちに艶が増したり、手に吸い付くようになじんできたりと、革の変化を楽しめること。
そんな革製品にはいくつか種類があり、ほとんどの革製品に最も使われているのが「牛革(カウレザー)」です。
そんな私たちの身近にある「牛革」ですが、牛革の中でもさらに種類やランクがあることをご存知ですか?
実は革の種類やランクによって、アイテムの向き・不向きが異なります。
この記事では、牛革の種類とランクの特徴やおすすめのアイテムをご紹介します。
これから革製品を使いたいと考えている方は、今回ご紹介するそれぞれの種類の特徴を知って、自分に合った製品を選びましょう。
靴や鞄、財布をはじめとする様々な製品に使われていて、美しい仕上がりと丈夫さから、革製品の中では一番多く使われている素材です。
牛の生育期間や性別で呼び方が変わり、特徴もさまざまです。
種類や特徴については、後ほど詳しくご紹介します。
最大の特徴は、革表面の三角形に並んだ毛穴の跡で、全層を貫通させる毛穴の効果により、通気性が抜群です。
時計のバンドや靴の中敷きに使われていて、軽くて扱いやすいのが特徴です。
また、豚革は日本国内での生産が盛んなこともあり、国内で唯一、自給自足ができる素材でもあります。
薄くて柔軟性があるため、レザージャケットなどの衣料品や家具などに用いられています。
軽さと耐久性を兼ね備え、手入れが簡単にできるのも魅力です。
中でも希少な臀部からとれる「コードバン」は美しい光沢が特徴で、ランドセルなどにも使われています。
繊維のキメが細かく保湿性が高いため、水に強いのが魅力。
日本では、古くから武具や足袋などの衣類に用いられてきた歴史があり、現在も剣道や弓道の道具に多く使われている素材です。
強度に優れているため、その耐久性はフライトジャケットにも使われるほど。
型崩れしにくく丈夫な上に、薄くて軽量なので、靴・ウェア・鞄など多彩な製品に用いられています。
シボのある表面には傷がつきにくく、万が一傷がついても目立ちにくいため、バイクやスポーツ用の手袋にも使われる素材です。
どちらもキメが細かく、しっとりとした柔らかさが特徴です。
特にラムスキンは、滑らかで吸い付くような手触りが魅力で、高級手袋や鞄、帽子などに使われています。
希少な動物からとれる高級素材のため、流通が国際的に制限されています。
革の種類については、下記の記事で詳しく解説しています。
◆「革の種類や特徴の完全版|基礎知識や素材の魅力を動物別に解説」
「牛革」の中でも種類とランクがあり、生後2年以上の牛の皮は「成牛革」と呼ばれ、「カウハイド」「ステアハイド」「ブルハイド」という種類に分類されます。
また、生後2年以内の子・中牛の革は「カーフスキン」「キップスキン」と呼ばれます。
牛革は、若い牛の革ほど流通量が少なく希少なので、その分価値がありランクが高いのがポイントです。
ここからは、具体的に牛革の種類について、ランク順にご紹介していきます。
カーフスキンの中でも種類があり、毛の風合いを残したものを「ヘアカーフ」、生後3ヶ月以内の生まれてまもない子牛革を「ベビーカーフ」と呼びます。
原皮は4〜7キロ程度で、サイズは全長100㎝×横70㎝と、成牛の半分以下のサイズです。
サイズは、カーフスキンより大きく、7〜12キロ程度です。
食用牛の副産物として流通量が最も多く、一般に「牛革」と呼ばれているもののほとんどを占めています。
34〜45キロと非常に重量があり、大型な成牛革で汎用性が低く、流通量はあまり多くないのが特徴です。
何らかの事情により母体の中で死んでしまった胎児や、生まれてすぐに亡くなってしまった子牛の革を指します。
非常に希少で、高級ランクの素材として流通しています。
次はそれぞれの特徴を見ていきましょう。
革の種類ごとに特徴も異なるため、製品(アイテム)によっては向き・不向きがあります。
生まれて間もないため傷が少なく、非常に細やかな繊維で柔らかい手触りが特徴。
また、美しく艶のある質感や軽くて薄い特徴もカーフスキンの魅力と言えるでしょう。
希少価値が高く、牛革の中でも最高ランク品として流通しています。
一度触ると、その繊細な手触りの虜になること間違いなしです。
さらに、カーフの中でも希少な「ベビーカーフ」は「赤ちゃんのほっぺたのような手触り」とも呼ばれています。
カーフスキンは面積が小さいため、小物製品や高級品の一部素材として使用されています。
【利用に向いている製品(アイテム)】
バッグ、ベルト、財布など
また、手触りはカーフスキンには劣りますが、カウハイドよりキメが細かく、ケガ等による傷が少ないのも特徴です。
薄くて軽いことから、扱いやすいのも魅力。
高級品の中でも手頃ですが、上質な革として人気があり、繊細で美しい製品に使用されています。
実は「カーフ」と「キップ」を分けているのは日本だけで、欧米ではどちらも「カーフ」と呼ばれています。
【利用に向いている製品(アイテム)】
バッグ、ベルト、財布など
厚さもちょうどキップとステアの中間といった、バランスの取れた素材です。
出産の際に伸縮しているため、腹部の繊維がやや荒めですが、他の部分はきめ細やかなのが魅力です。
面積が広く取れるため、その大きさや柔らかさを活かし、バックや衣類に使用されています。
また、馬具で有名な「ブライドルレザー」の素材にも使われています。
【利用に向いている製品(アイテム)】
大型のボストンバックやトートバック、ジャケットやコートなど
食用牛の副産物として供給が安定しているのが、流通の多さの理由です。
丈夫で厚みが均一なのが特徴的で表面のキメが細かく美しいため、幅広い製品に利用されています。
ステアハイドは食用牛としての品質を高めるため去勢された、気性が穏やかな牡牛の革を使っています。
他牛との喧嘩も少ないため、傷が少なく品質が安定しているのも特徴です。
成牛で広く面積を取れるため活用しやすい、良いこと尽くめなステアハイドは耐久性もあり、お手入れも簡単な「長持ちしやすい革」としても知られています。
イタリアンレザー※や日本製の「栃木レザー」など、多くの地域やブランドで使われている種類で、
バックや財布、ジャケットやコート、靴のほか、椅子やソファなどの家具にまで幅広く使用されています。
【利用に向いている製品(アイテム)】
面積を活かしたバッグや財布、衣類、靴の甲革、家具など
※イタリアンレザーについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
◆イタリアンレザー 3つの特徴
また、非常に厚くて丈夫な、硬い繊維質です。
比較的製品への汎用性はなく流通数も少なめですが、マイナーな素材なので逆に希少価値の高い素材かもしれません。
厚さと硬さを活かした「工業用革」として製品がつくられることが多い種類ですが、その独特な風合いや特徴を好んで製品化する「ブルハイド愛好家」も存在するとか。
ベルトや靴底など「強さ」が必要なアイテムの素材として人気があります。
【利用に向いている製品(アイテム)】
靴の革底や業務用のベルトなど
私たちの身近なアイテムに広く使われている、革の素材。
ポピュラーな「牛革(カウレザー)」をはじめ、実はたくさんの種類があります。
手触り、軽さ、耐久性、風合い……それぞれの革の種類や特徴を知ることで、より長く愛着を持ってアイテムを楽しむことができますよ。
鞄や財布などのアイテムは毎日使うものだからこそ、こだわりの一品を持ちたいですよね。
ビジネスシーンにも、休日にも活躍する革のアイテム。
あなたはどの革の種類がお好みですか?
ぜひ、お気に入りのアイテムを選ぶときの参考にしてくださいね。
シンプルで上質な革製品の魅力は、使い込んでいくうちに艶が増したり、手に吸い付くようになじんできたりと、革の変化を楽しめること。
そんな革製品にはいくつか種類があり、ほとんどの革製品に最も使われているのが「牛革(カウレザー)」です。
そんな私たちの身近にある「牛革」ですが、牛革の中でもさらに種類やランクがあることをご存知ですか?
実は革の種類やランクによって、アイテムの向き・不向きが異なります。
この記事では、牛革の種類とランクの特徴やおすすめのアイテムをご紹介します。
これから革製品を使いたいと考えている方は、今回ご紹介するそれぞれの種類の特徴を知って、自分に合った製品を選びましょう。
代表的な革の種類
まずは代表的な革の種類と特徴を、動物別にご紹介します。牛革(カウレザー)
革製品の中で最も利用されている牛革は字の通り、牛の皮を使用しています。靴や鞄、財布をはじめとする様々な製品に使われていて、美しい仕上がりと丈夫さから、革製品の中では一番多く使われている素材です。
牛の生育期間や性別で呼び方が変わり、特徴もさまざまです。
種類や特徴については、後ほど詳しくご紹介します。
豚革(ピッグスキン)
豚の皮を使っている豚革は、牛革の次に多く使われている素材です。最大の特徴は、革表面の三角形に並んだ毛穴の跡で、全層を貫通させる毛穴の効果により、通気性が抜群です。
時計のバンドや靴の中敷きに使われていて、軽くて扱いやすいのが特徴です。
また、豚革は日本国内での生産が盛んなこともあり、国内で唯一、自給自足ができる素材でもあります。
馬革(ホースハイド)
馬の皮を使った馬革は、革製品を使ったことがない方にも使いやすいおすすめの素材です。薄くて柔軟性があるため、レザージャケットなどの衣料品や家具などに用いられています。
軽さと耐久性を兼ね備え、手入れが簡単にできるのも魅力です。
中でも希少な臀部からとれる「コードバン」は美しい光沢が特徴で、ランドセルなどにも使われています。
鹿革(ディアスキン)
鹿の皮を使った鹿革は、しっとりと柔らかく、手触りが良いのが特徴です。繊維のキメが細かく保湿性が高いため、水に強いのが魅力。
日本では、古くから武具や足袋などの衣類に用いられてきた歴史があり、現在も剣道や弓道の道具に多く使われている素材です。
山羊革(ゴートスキン)
大人のヤギから作られた山羊革は、表面に細かな模様(シボ)がある素材です。強度に優れているため、その耐久性はフライトジャケットにも使われるほど。
型崩れしにくく丈夫な上に、薄くて軽量なので、靴・ウェア・鞄など多彩な製品に用いられています。
シボのある表面には傷がつきにくく、万が一傷がついても目立ちにくいため、バイクやスポーツ用の手袋にも使われる素材です。
羊革(シープスキン)
羊の皮を使った羊革は、生後1年未満の革を「ラムスキン」、生後1年以上の革を「シープスキン」と呼びます。どちらもキメが細かく、しっとりとした柔らかさが特徴です。
特にラムスキンは、滑らかで吸い付くような手触りが魅力で、高級手袋や鞄、帽子などに使われています。
エキゾチックレザー
エキゾチックレザーとは、爬虫類やダチョウなど、独特の模様がある革の種類の総称です。希少な動物からとれる高級素材のため、流通が国際的に制限されています。
革の種類については、下記の記事で詳しく解説しています。
◆「革の種類や特徴の完全版|基礎知識や素材の魅力を動物別に解説」
牛革の種類とランク
冒頭にもお伝えした通り、「牛革(カウレザー)」は、数ある革の中で一番使われている革で、なんと、国内に流通している革製品の8割は牛革と言われるほど、ポピュラーな素材です。「牛革」の中でも種類とランクがあり、生後2年以上の牛の皮は「成牛革」と呼ばれ、「カウハイド」「ステアハイド」「ブルハイド」という種類に分類されます。
また、生後2年以内の子・中牛の革は「カーフスキン」「キップスキン」と呼ばれます。
牛革は、若い牛の革ほど流通量が少なく希少なので、その分価値がありランクが高いのがポイントです。
ここからは、具体的に牛革の種類について、ランク順にご紹介していきます。
①カーフスキン
カーフスキンとは、生後6ヶ月以内の子牛の革を指し、牛革の中で最も希少で最高ランクの素材とされています。カーフスキンの中でも種類があり、毛の風合いを残したものを「ヘアカーフ」、生後3ヶ月以内の生まれてまもない子牛革を「ベビーカーフ」と呼びます。
原皮は4〜7キロ程度で、サイズは全長100㎝×横70㎝と、成牛の半分以下のサイズです。
②キップスキン
キップスキンとは、生後6ヶ月〜2年以内の中牛革のことで、カーフスキンに次いで希少でランクの高い種類です。サイズは、カーフスキンより大きく、7〜12キロ程度です。
③カウハイド
カウハイドとは、生後2年以上の出産を経験した牝の成牛革を指します。
成牛革の大きさは全長約250㎝×幅200㎝、重さ約12キロ。
そのままだと大きすぎるので、通常は背中を境に半分にしたサイズで流通しています。
また、カウハイドに強度を持たせるために、表面に蝋(ロウ)を染み込ませる特殊な加工をした種類の革を「ブライドル」といいます。
イギリスの伝統ある技法で加工された革で、主に馬具で使用されています。
④ステアハイド
ステアハイドとは、生後3ヶ月〜6ヶ月の間に去勢された、牡の成牛革こと。食用牛の副産物として流通量が最も多く、一般に「牛革」と呼ばれているもののほとんどを占めています。
⑤ブルハイド
ブルハイドとは生後3年以上の、繁殖用の去勢をしていない、牡の成牛革のこと。34〜45キロと非常に重量があり、大型な成牛革で汎用性が低く、流通量はあまり多くないのが特徴です。
⑥ハラコ
ハラコとは、まだ出産されていない牛(胎児)の革のこと。何らかの事情により母体の中で死んでしまった胎児や、生まれてすぐに亡くなってしまった子牛の革を指します。
非常に希少で、高級ランクの素材として流通しています。
【牛革の種類】それぞれの特徴とは?
ここまで、牛革は生育期間や性別によって、種類やランクがあることが分かりました。次はそれぞれの特徴を見ていきましょう。
革の種類ごとに特徴も異なるため、製品(アイテム)によっては向き・不向きがあります。
①カーフスキンの特徴
カーフスキンの魅力は、なんといっても手触りと質感です。生まれて間もないため傷が少なく、非常に細やかな繊維で柔らかい手触りが特徴。
また、美しく艶のある質感や軽くて薄い特徴もカーフスキンの魅力と言えるでしょう。
希少価値が高く、牛革の中でも最高ランク品として流通しています。
一度触ると、その繊細な手触りの虜になること間違いなしです。
さらに、カーフの中でも希少な「ベビーカーフ」は「赤ちゃんのほっぺたのような手触り」とも呼ばれています。
カーフスキンは面積が小さいため、小物製品や高級品の一部素材として使用されています。
【利用に向いている製品(アイテム)】
バッグ、ベルト、財布など
②キップスキンの特徴
キップスキンは、カーフスキンよりもやや厚さがあり、丈夫です。また、手触りはカーフスキンには劣りますが、カウハイドよりキメが細かく、ケガ等による傷が少ないのも特徴です。
薄くて軽いことから、扱いやすいのも魅力。
高級品の中でも手頃ですが、上質な革として人気があり、繊細で美しい製品に使用されています。
実は「カーフ」と「キップ」を分けているのは日本だけで、欧米ではどちらも「カーフ」と呼ばれています。
【利用に向いている製品(アイテム)】
バッグ、ベルト、財布など
③カウハイドの特徴
カウハイドは、繊維の細かさはキップスキンには劣るものの、ステアハイドよりは滑らか。厚さもちょうどキップとステアの中間といった、バランスの取れた素材です。
出産の際に伸縮しているため、腹部の繊維がやや荒めですが、他の部分はきめ細やかなのが魅力です。
面積が広く取れるため、その大きさや柔らかさを活かし、バックや衣類に使用されています。
また、馬具で有名な「ブライドルレザー」の素材にも使われています。
【利用に向いている製品(アイテム)】
大型のボストンバックやトートバック、ジャケットやコートなど
④ステアハイドの特徴
一般に「牛革」といえば、このステアハイドがポピュラーです。食用牛の副産物として供給が安定しているのが、流通の多さの理由です。
丈夫で厚みが均一なのが特徴的で表面のキメが細かく美しいため、幅広い製品に利用されています。
ステアハイドは食用牛としての品質を高めるため去勢された、気性が穏やかな牡牛の革を使っています。
他牛との喧嘩も少ないため、傷が少なく品質が安定しているのも特徴です。
成牛で広く面積を取れるため活用しやすい、良いこと尽くめなステアハイドは耐久性もあり、お手入れも簡単な「長持ちしやすい革」としても知られています。
イタリアンレザー※や日本製の「栃木レザー」など、多くの地域やブランドで使われている種類で、
バックや財布、ジャケットやコート、靴のほか、椅子やソファなどの家具にまで幅広く使用されています。
【利用に向いている製品(アイテム)】
面積を活かしたバッグや財布、衣類、靴の甲革、家具など
※イタリアンレザーについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
◆イタリアンレザー 3つの特徴
⑤ブルハイドの特徴
ブルハイドは、牡の繁殖用成牛革のため気性が荒く、傷が比較的多いのが特徴。また、非常に厚くて丈夫な、硬い繊維質です。
比較的製品への汎用性はなく流通数も少なめですが、マイナーな素材なので逆に希少価値の高い素材かもしれません。
厚さと硬さを活かした「工業用革」として製品がつくられることが多い種類ですが、その独特な風合いや特徴を好んで製品化する「ブルハイド愛好家」も存在するとか。
ベルトや靴底など「強さ」が必要なアイテムの素材として人気があります。
【利用に向いている製品(アイテム)】
靴の革底や業務用のベルトなど
まとめ:革の種類やランクを理解して、自分好みの製品を使おう!
いかがでしたか?私たちの身近なアイテムに広く使われている、革の素材。
ポピュラーな「牛革(カウレザー)」をはじめ、実はたくさんの種類があります。
手触り、軽さ、耐久性、風合い……それぞれの革の種類や特徴を知ることで、より長く愛着を持ってアイテムを楽しむことができますよ。
鞄や財布などのアイテムは毎日使うものだからこそ、こだわりの一品を持ちたいですよね。
ビジネスシーンにも、休日にも活躍する革のアイテム。
あなたはどの革の種類がお好みですか?
ぜひ、お気に入りのアイテムを選ぶときの参考にしてくださいね。