革にもランクがある?身近な牛革の種類をアイテム別に紹介

鞄や財布を買い替えたい方におすすめなのが、使うほどに味わい深く変化していく革製品です。

シンプルで上質な革製品の魅力は、使い込んでいくうちに艶が増したり、手に吸い付くようになじんできたりと、革の変化を楽しめること。

そんな革製品にはいくつか種類があり、ほとんどの革製品に最も使われているのが「牛革(カウレザー)」です。

そんな私たちの身近にある「牛革」ですが、牛革の中でもさらに種類やランクがあることをご存知ですか?
実は革の種類やランクによって、アイテムの向き・不向きが異なります。

この記事では、牛革の種類とランクの特徴やおすすめのアイテムをご紹介します。
これから革製品を使いたいと考えている方は、今回ご紹介するそれぞれの種類の特徴を知って、自分に合った製品を選びましょう。


代表的な革の種類

机に置かれたいろいろな種類の革素材まずは代表的な革の種類と特徴を、動物別にご紹介します。

牛革(カウレザー)

革製品の中で最も利用されている牛革は字の通り、牛の皮を使用しています。
靴や鞄、財布をはじめとする様々な製品に使われていて、美しい仕上がりと丈夫さから、革製品の中では一番多く使われている素材です。

牛の生育期間や性別で呼び方が変わり、特徴もさまざまです。
種類や特徴については、後ほど詳しくご紹介します。

豚革(ピッグスキン)

豚の皮を使っている豚革は、牛革の次に多く使われている素材です。
最大の特徴は、革表面の三角形に並んだ毛穴の跡で、全層を貫通させる毛穴の効果により、通気性が抜群です。
時計のバンドや靴の中敷きに使われていて、軽くて扱いやすいのが特徴です。

また、豚革は日本国内での生産が盛んなこともあり、国内で唯一、自給自足ができる素材でもあります。

馬革(ホースハイド)

馬の皮を使った馬革は、革製品を使ったことがない方にも使いやすいおすすめの素材です。
薄くて柔軟性があるため、レザージャケットなどの衣料品や家具などに用いられています。
軽さと耐久性を兼ね備え、手入れが簡単にできるのも魅力です。

中でも希少な臀部からとれる「コードバン」は美しい光沢が特徴で、ランドセルなどにも使われています。


鹿革(ディアスキン)

鹿の皮を使った鹿革は、しっとりと柔らかく、手触りが良いのが特徴です。
繊維のキメが細かく保湿性が高いため、水に強いのが魅力。

日本では、古くから武具や足袋などの衣類に用いられてきた歴史があり、現在も剣道や弓道の道具に多く使われている素材です。

山羊革(ゴートスキン)

大人のヤギから作られた山羊革は、表面に細かな模様(シボ)がある素材です。
強度に優れているため、その耐久性はフライトジャケットにも使われるほど。
型崩れしにくく丈夫な上に、薄くて軽量なので、靴・ウェア・鞄など多彩な製品に用いられています。

シボのある表面には傷がつきにくく、万が一傷がついても目立ちにくいため、バイクやスポーツ用の手袋にも使われる素材です。


羊革(シープスキン)

羊の皮を使った羊革は、生後1年未満の革を「ラムスキン」、生後1年以上の革を「シープスキン」と呼びます。
どちらもキメが細かく、しっとりとした柔らかさが特徴です。
特にラムスキンは、滑らかで吸い付くような手触りが魅力で、高級手袋や鞄、帽子などに使われています。

エキゾチックレザー

エキゾチックレザーとは、爬虫類やダチョウなど、独特の模様がある革の種類の総称です。
希少な動物からとれる高級素材のため、流通が国際的に制限されています。

革の種類については、下記の記事で詳しく解説しています。
◆「革の種類や特徴の完全版|基礎知識や素材の魅力を動物別に解説」


牛革の種類とランク

2種類の革冒頭にもお伝えした通り、「牛革(カウレザー)」は、数ある革の中で一番使われている革で、なんと、国内に流通している革製品の8割は牛革と言われるほど、ポピュラーな素材です。

「牛革」の中でも種類とランクがあり、生後2年以上の牛の皮は「成牛革」と呼ばれ、「カウハイド」「ステアハイド」「ブルハイド」という種類に分類されます。

また、生後2年以内の子・中牛の革は「カーフスキン」「キップスキン」と呼ばれます。
牛革は、若い牛の革ほど流通量が少なく希少なので、その分価値がありランクが高いのがポイントです。

ここからは、具体的に牛革の種類について、ランク順にご紹介していきます。

①カーフスキン

カーフスキンとは、生後6ヶ月以内の子牛の革を指し、牛革の中で最も希少で最高ランクの素材とされています。

カーフスキンの中でも種類があり、毛の風合いを残したものを「ヘアカーフ」、生後3ヶ月以内の生まれてまもない子牛革を「ベビーカーフ」と呼びます。

原皮は4〜7キロ程度で、サイズは全長100㎝×横70㎝と、成牛の半分以下のサイズです。


②キップスキン

キップスキンとは、生後6ヶ月〜2年以内の中牛革のことで、カーフスキンに次いで希少でランクの高い種類です。

サイズは、カーフスキンより大きく、7〜12キロ程度です。


③カウハイド

カウハイドとは、生後2年以上の出産を経験した牝の成牛革を指します。

成牛革の大きさは全長約250㎝×幅200㎝、重さ約12キロ
そのままだと大きすぎるので、通常は背中を境に半分にしたサイズで流通しています。

また、カウハイドに強度を持たせるために、表面に蝋(ロウ)を染み込ませる特殊な加工をした種類の革を「ブライドル」といいます。
イギリスの伝統ある技法で加工された革で、主に馬具で使用されています。

④ステアハイド

ステアハイドとは、生後3ヶ月〜6ヶ月の間に去勢された、牡の成牛革こと。
食用牛の副産物として流通量が最も多く、一般に「牛革」と呼ばれているもののほとんどを占めています。

⑤ブルハイド

ブルハイドとは生後3年以上の、繁殖用の去勢をしていない、牡の成牛革のこと。
34〜45キロと非常に重量があり、大型な成牛革で汎用性が低く、流通量はあまり多くないのが特徴です。

⑥ハラコ

ハラコとは、まだ出産されていない牛(胎児)の革のこと。
何らかの事情により母体の中で死んでしまった胎児や、生まれてすぐに亡くなってしまった子牛の革を指します。

非常に希少で、高級ランクの素材として流通しています。


【牛革の種類】それぞれの特徴とは?

黒い革を加工している手元の画像ここまで、牛革は生育期間や性別によって、種類やランクがあることが分かりました。
次はそれぞれの特徴を見ていきましょう。

革の種類ごとに特徴も異なるため、製品(アイテム)によっては向き・不向きがあります。

①カーフスキンの特徴

カーフスキンの魅力は、なんといっても手触りと質感です。
生まれて間もないため傷が少なく、非常に細やかな繊維で柔らかい手触りが特徴。
また、美しく艶のある質感軽くて薄い特徴もカーフスキンの魅力と言えるでしょう。

希少価値が高く、牛革の中でも最高ランク品として流通しています。
一度触ると、その繊細な手触りの虜になること間違いなしです。
さらに、カーフの中でも希少な「ベビーカーフ」は「赤ちゃんのほっぺたのような手触り」とも呼ばれています。

カーフスキンは面積が小さいため、小物製品や高級品の一部素材として使用されています。

【利用に向いている製品(アイテム)】
バッグ、ベルト、財布など

②キップスキンの特徴

キップスキンは、カーフスキンよりもやや厚さがあり、丈夫です。
また、手触りはカーフスキンには劣りますが、カウハイドよりキメが細かく、ケガ等による傷が少ないのも特徴です。
薄くて軽いことから、扱いやすいのも魅力。 

高級品の中でも手頃ですが、上質な革として人気があり、繊細で美しい製品に使用されています。

実は「カーフ」と「キップ」を分けているのは日本だけで、欧米ではどちらも「カーフ」と呼ばれています。

【利用に向いている製品(アイテム)】
バッグ、ベルト、財布など

③カウハイドの特徴

カウハイドは、繊維の細かさはキップスキンには劣るものの、ステアハイドよりは滑らか。
厚さもちょうどキップとステアの中間といった、バランスの取れた素材です。

出産の際に伸縮しているため、腹部の繊維がやや荒めですが、他の部分はきめ細やかなのが魅力です。
面積が広く取れるため、その大きさや柔らかさを活かし、バックや衣類に使用されています。

また、馬具で有名な「ブライドルレザー」の素材にも使われています。

【利用に向いている製品(アイテム)】
大型のボストンバックやトートバック、ジャケットやコートなど

④ステアハイドの特徴

一般に「牛革」といえば、このステアハイドがポピュラーです。
食用牛の副産物として供給が安定しているのが、流通の多さの理由です。

丈夫で厚みが均一なのが特徴的で表面のキメが細かく美しいため、幅広い製品に利用されています。

ステアハイドは食用牛としての品質を高めるため去勢された、気性が穏やかな牡牛の革を使っています。
他牛との喧嘩も少ないため、傷が少なく品質が安定しているのも特徴です。

成牛で広く面積を取れるため活用しやすい、良いこと尽くめなステアハイドは耐久性もあり、お手入れも簡単な「長持ちしやすい革」としても知られています。

イタリアンレザー※や日本製の「栃木レザー」など、多くの地域やブランドで使われている種類で、
バックや財布、ジャケットやコート、靴のほか、椅子やソファなどの家具にまで幅広く使用されています。

【利用に向いている製品(アイテム)】
面積を活かしたバッグや財布、衣類、靴の甲革、家具など
    
※イタリアンレザーについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
◆イタリアンレザー 3つの特徴



⑤ブルハイドの特徴

ブルハイドは、牡の繁殖用成牛革のため気性が荒く、傷が比較的多いのが特徴。
また、非常に厚くて丈夫な、硬い繊維質です。

比較的製品への汎用性はなく流通数も少なめですが、マイナーな素材なので逆に希少価値の高い素材かもしれません。

厚さと硬さを活かした「工業用革」として製品がつくられることが多い種類ですが、その独特な風合いや特徴を好んで製品化する「ブルハイド愛好家」も存在するとか。
ベルトや靴底など「強さ」が必要なアイテムの素材として人気があります。

【利用に向いている製品(アイテム)】
靴の革底や業務用のベルトなど


まとめ:革の種類やランクを理解して、自分好みの製品を使おう!

机に並んだ革製品の中から財布を手に取る男性の手元いかがでしたか? 
私たちの身近なアイテムに広く使われている、革の素材。
ポピュラーな「牛革(カウレザー)」をはじめ、実はたくさんの種類があります。

手触り、軽さ、耐久性、風合い……それぞれの革の種類や特徴を知ることで、より長く愛着を持ってアイテムを楽しむことができますよ。
鞄や財布などのアイテムは毎日使うものだからこそ、こだわりの一品を持ちたいですよね。

ビジネスシーンにも、休日にも活躍する革のアイテム。
あなたはどの革の種類がお好みですか?
ぜひ、お気に入りのアイテムを選ぶときの参考にしてくださいね。