【ヌメ革】お手入れ方法|特徴やエイジング・保管方法も解説
そのような悩みを抱えてはいませんか?
この記事では自分らしく自由に働く人のためのメンズビジネスバッグのECショップ「TRANSIC」の商品MDである私、小寺がヌメ革の特徴とお手入れ方法を徹底解説していきます。
ヌメ革の特徴を理解した上で、あらゆるケースでのヌメ革のお手入れ方法を知っておくと、多くのトラブル対策・対処に繋がります。
是非この機会に、ヌメ革のお手入れについて詳しくなってください。
ヌメ革|特徴
ヌメ革のお手入れ方法をお伝えする前に、簡単にヌメ革の特徴を解説します。ヌメ革とは「ベジタブルタンニン」と呼ばれる、植物性のタンニンを使用して、なめされた皮革のことをいいます。
革についての詳細なことを述べ出すと定義がとても複雑になりますが、ここでは簡単に「染料を使用していない革」と覚えておいてください。
見た目の特徴として、自然な色のベージュをしており、使用していくうちに色が持ち主の暮らしに合わせた濃い色に変化し艶も出てきます。
この変化を「エイジング」と呼び、その味わい深さの虜となり、ヌメ革を好んで使う人も多いのです。
一方、ヌメ革は革の中において最も「水に弱い」といった特徴も持ち合わせています。
雨などの水滴によって、シミや色落ち・水ぶくれの原因となり、ときにカビが発生することもあるため注意やケアが大切です。
また、ヌメ革アイテムを使用していく中で表面の乾燥が見られた場合には、オイルやクリームなどを用いたケアも必要となります。
ヌメ革ならではのエイジングをお楽しみいただくために、革のコンディションやケア・注意点について詳しく知り、お気に入りのアイテムとして長く愛用していただきたいと思います。
ヌメ革の種類や出来上がるまでの工程などを詳しく知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください。
◆ヌメ革とは?基本的知識からエイジングを楽しむための注意点まで
ヌメ革のお手入れ方法4選
ヌメ革のお手入れ方法について、ポイントは以下となります。- 普段のお手入れは、表面の埃を取る程度でいい
- 数か月の使用によって、革表面が乾燥し始めたら適宜オイルやクリームで潤いを補充
- 水濡れには気を付ける、水濡れした場合は直ぐにケアする
- 革をより良いコンディションで保ちたい場合は1〜2ヶ月に1回のペースでスペシャルケアを行う
上記を押さえたうえで、以下のタイミング別にお手入れ方法をお伝えします。
- 購入直後のお手入れ
- 日頃のケアとしてのお手入れ
- 水に濡れてしまった場合のお手入れ
- 汚れてしまった場合のお手入れ
ヌメ革のお手入れ方法①|購入直後【日光浴】
まず、購入直後のお手入れについてですが、下ろし立てのヌメ革は表面が十分な油分で守られていません。購入直後のデリケートな状態で濡れてしまえば、水シミや水ぶくれとなって取れなくなってしまう可能性も高いです。
その予防策となるのが「日光浴」。
日に当てることで革のエイジングが進むと同時に、革に含まれている油分が表面の膜となるコーティング剤のような役割を果たしてくれます。
【ヌメ革日光浴の手順】
- 革製品専用のブラシで、ホコリや汚れを落とす
- 日が差し込む風通しのよい場所で日陰干し(出来れば1ヶ月ほど)
- 日光浴により、表面化した油分を柔らかい布で乾拭きし革に馴染ませる
【ヌメ革日光浴の注意点】
- 直射日光は避ける(乾燥の原因となるため)
- 定期的にブラッシング(ホコリは色ムラの原因となるため)
- 日光浴中の雨や影の部分(色ムラになる)を気にかける
ヌメ革のお手入れ方法②|日頃のケア【ブラシやオイル・クリームケア】
ヌメ革の日頃のお手入れについてですが、実は表面のホコリをブラシで落とすだけでも充分です。ブラッシングをすることで、知らないうちにヌメの表面に付着している手の油分・汗などに含まれる不純物や塩分を落とすことが出来ます。
また、ブラッシングをすることで革表面のキメを均一に整えることができ、浅い傷であれば目立たなくなります。
さらに、革にツヤも生まれます。
ヌメ革は特性上、革の中でもブラッシングの効果が比較的高いと言われていますので、丁寧にケアすることを心がけ、お気に入りのアイテムに育ててください。
~革表面の乾燥や・スペシャルケア~
数カ月使用していると革表面が乾燥し始める場合もあります。
そのような場合は、適宜オイルやクリームで潤いを補充しましょう。
革表面の乾燥が見られない場合も、革をより良い状態で保ちたい場合は1〜2ヶ月に1回のペースでオイルやクリームを用いてケアを行うことをおすすめします。
オイルやクリームの使用方法については、商品に説明記載されている内容を必ず確認してください。
ヌメ革のお手入れ方法③|水に濡れてしまった場合
ヌメ革が水に濡れてしまった場合のお手入れについて解説します。
ヌメ革は非常に水に弱く水に濡れるとシミや水ぶくれとなったり、カビの原因になる場合があります。
万が一、雨や飲み物などで濡らしてしまった場合は放置せず、できるだけ速やかに拭き取りましょう。
その後は、風通しのよい日陰にて上述した購入直後のお手入れ方法「日光浴」を行ってください。
乾いた後に、保革オイルやクリームでケアすると、大きなシミなどに発展することを防げます。
濡れた状態での放置は、水分が革内部に留まり続けカビや色移りの原因ともなりかねないので注意してください。
予防策として、日常的なオイルやクリームでケアした後は防水スプレーで対策をしておくこともおすすめです。
防水スプレーの正しい使い方はこちらの記事で紹介しています。
◆知らないと危険!バッグの「防水スプレー」正しい使い方とは?
ヌメ革のお手入れ方法④|汚れてしまった場合
ヌメ革が汚れてしまった場合のお手入れについて解説します。ヌメ革の汚れに対して意識すべきは縫い目です。
縫い目の、くぼみや溝に汚れは溜まっていきます。
ブラッシングをする際も、縫い目部分は念入りに丁寧に行うよう心がけましょう。
それだけでホコリやゴミなどの汚れは落とすことができます。
革表面の汚れが残る場合は、オイルやクリームを用いて乾いた布で拭いていきます。
このとき、傷が付かないよう優しい力加減で行いましょう。
ヌメ革に限りませんが、時間が経過した汚れについては簡単には落ちません。
日頃から、こまめなお手入れを心がけるようにしましょう。
ヌメ革のお手入れ|美しいエイジングのために
ヌメ革は表面が加工されていないために、自然な淡い色合いのベージュからツヤを帯びた褐色へと変化します。その変化を「エイジング」と呼ぶことを冒頭でもお伝えしました。
ここでは、エイジングがもたらす効果と綺麗にエイジングさせるための秘訣をご紹介します。
ヌメ革|エイジングがもたらす効果
エイジングによってもたらされる効果は、次のようなことがあります。- 傷が目立たなくなる
- シミ(水シミ)も目立たなくなる
- 水にも強くなる
とはいえ、ヌメ革のエイジングは何もしなくても経過年数によって自然に進行していきます。
ただ、そのエイジング工程で手を加えるかどうかによって「どのような状態でエイジングをするのか」に差がつきます。
出来れば綺麗な状態でエイジングを進めたいもの。ここでは、そのための秘訣をお伝えします。
ヌメ革|綺麗にエイジングさせるための秘訣
ヌメ革を綺麗にエイジングさせるためには、次の4つの対策がポイントとなります。- 使用頻度を高めることで、エイジングが加速
- 日頃から、ブラッシングをすることでムラなく綺麗なエイジングとなる
- クリームを使用したお手入れで、水濡れや乾燥といったエイジングトラブルの防止になる
- 正しく日光浴させることで、綺麗なエイジングのサポートに繋がる
そのため、エイジングも難しいものではありません。
運がよければ使用しているだけで綺麗にエイジングできる場合もあります。
エイジングがある程度進めば、ヌメ革の表面の傷や汚れも目立たなくなりますし、ヌメ革の弱点とされている雨や水にも強くなり水シミも目立ちにくくなります。
また正しいお手入れを行っていれば、少々の色ムラは愛着あるアイテムのエイジングの癖に思えてきます。
ぜひ、ヌメ革のエイジング方法を覚えて愛用して下さい。
さらに詳しいエイジング方法について知りたい場合は、以下の記事も参考にしてください。
◆ヌメ革の正しいエイジング方法4選|失敗させないための注意点や対策
ヌメ革の取り扱い注意点|保管方法や防水対策
最後にヌメ革の保管方法をお伝えし、何度も繰り返しお伝えしてきた防水対策について再度まとめておきたいと思います。ヌメ革の保管方法について
ヌメ革の保管方法について、一番気を付けるべきは「カビ」です。ヌメ革に限りませんが革製品を保管するときには、湿度の高い場所・湿気がこもってしまう場所・高温になる場所は避け、出来るだけ風通しのよい場所で保管するようにしましょう。
また、風通しがよいからと言って直射日光が当たる場所も避けましょう。
乾燥によるひび割れの原因に繋がってしまいかねません。
特別な日だけに活用するヌメ革アイテムや、季節性のある革アイテムを保管する際に役立ててください。
【長期保管する方法】
~準備するもの~
- 革専用ブラシ
- 柔らかい布(乾いたもの)
- 新聞紙
- アイテム購入時にくるまれていた布(袋)
~保管方法の手順(バッグの場合)~
- バッグの中身を全て出し、バッグ内部のホコリをはたく
- ブラッシングをして表面のホコリやゴミを丁寧に落とす
- 乾いた柔らかい布で革の汚れを落とす
- バッグの中に新聞紙を入れる
- バッグが入っていた袋(布)、または代わりになる柔らかい袋に入れて保管
~注意点とポイント~
- ブラッシングと拭き取り後、オイル・クリームケアをして保湿をするとさらに安心
- オイル・クリームを塗りすぎると、カビの原因となってしまうため、使用量は控えめに
- 新聞紙は湿気対策以外にも、防虫にも繋がる
- 新聞紙の色移りが気になるときは、布やタオルを活用する
- 保管時は、型崩れしないように縦向き保管が革の基本、吊るし置きはしない
- 防虫剤や乾燥剤は使用しない(革が変質する原因になる)
毎日使用する小物類(財布やペンケース・手帳)やビジネスバッグなども、休日など使用しない日には一度中身を全て出し休ませてあげましょう。
持ちがよくなるだけでなく、メンテナンスをするきっかけにもなりますよ。
ヌメ革の防水対策について
これまで何度もヌメ革は水に弱いとお伝えしてきましたが、とても大切なことなので防水対策について、今一度まとめておきたいと思います。~ヌメ革の防水対策に大切なこと~
- 購入直後は、日光浴でエイジングを加速する
- オイル・クリームケアで、表面をケアする
- オイル・クリームケアの後に、防水スプレーで水対策をする
- 万が一濡れてしまった場合は直ぐに拭く
- 保管時も湿気対策をする
長くお気に入りのアイテムとするからこそ、労わってあげてください。
まとめ:【ヌメ革】お手入れ方法|特徴やエイジング・保管方法も解説
今回は、ヌメ革のお手入れ方法として、以下について詳しく解説しました。- 購入直後【日光浴】
- 日頃のケア【ブラシやオイル・クリームケア】
- 水に濡れてしまった場合
- 汚れてしまった場合
革製品は丁寧に使いこめば、10年以上使用できます。
10年も経過すれば、他にはない濃く深みのある飴色と独特なツヤが出ています。
その頃には多少の水濡れで革が弱ったりすることはありません。
そのような状態まで共に過ごすことが出来るよう、お手入れをしっかりと行ってください。