鞄屋が教える革製品の防水・撥水ケア
どうもTRANSICの味形です。
いよいよ「梅雨」が到来いたしましたね。
革製品は水に弱く、この時期の革製品の扱いは注意しなければなりません。
革に水がつくと、部分的に水を吸って膨張し水ぶくれのようになったり、びしょ濡れになって革の形自体が変形したり、水がしみ込んでしまい色濃く変色してしまったりします。
雨の日は使わないのが一番ですが、そうも言っていられないのがビジネスマン。
そこで今回は、レザー(革)製品の防水・撥水ケアについてご紹介します。
そもそも防水と撥水とは?
防水と撥水はよく混同されれますが、厳密には違う意味を持ちます。
防水とは?
防水の特徴とは生地裏側まで水を通さないことを防水と呼びます。
一般的にレインコートや、防水スマホケースなどで見られるように、内側に水を通さない仕様のことを防水と呼びます。
バッグではアウトドア用によく使われているポリエステル製のバッグなどです。
撥水とは?
撥水とは生地表面を水が転がり落ちるような作用で、水が弾くとよく表現されます。
生地の表面もしくは生地を構成する意図に撥水コーティングを行うことで撥水加工を行います。
このコーティング加工により、水分が記事についても、コロコロと転がり落ちて、生地が濡れにくくなります。
バッグでは素材そのものにナイロンテフロン加工をしたものなどになります。
つまり撥水は水を弾く機能、防水は水を通さない機能となります。
なお、撥水、防水は永久機能ではなく、撥水はコーティングが落ちた時、防水は生地が摩耗したり劣化することでその機能を失います。
革の種類・加工別と防水・撥水ケア
それでは革製品の防水・撥水ケアにはどういったものがあるのでしょうか?
革の種類・加工別に防水・撥水ケアをご紹介いたします。
エナメル・パテントコーティング等
革の表面を樹脂コーティングすることで水に強くしているのがエナメル・パテントコーティングなどを施された革製品。
エナメル革はもともとエナメル樹脂にて加工してありますので防水・撥水スプレーをかけてしまい部分的に変色したり光沢を失うことがあるのでお気をつけください。
シュリンク加工・ろう仕上げ・オイル加工
表面になんらかの加工を加えて、水やシミを防ぐ革製品。
スプリットレザー、オイルレザーなどの加工段階ポリエステル樹脂やオイルで水に強い加工をしておりますので1年ほどして成分が抜けた段階で防水ケアをしてください。
PUレザー
PUレザーなどの合成皮革の多くはポリエステル樹脂による素材本来の加工により水を通さないようになっています。
ナチュラルな革やその他の革製品
各種類ごとにケアの方法は変わってきますが最終的に防水・撥水スプレーにてケアをいたします。
防水・撥水スプレーとは?
防水スプレーも撥水スプレーも“加工”ではないのでそこまで大きな違いはありませんが、何にかけたいかで選ぶ事が大切です。
革用ではないのに、革に使用してしまうとシミになってしまったり、革が傷んでしまう原因となりますので用途に合わせたものを選びましょう。
防水・撥水スプレーの種類は大きく分けてフッ素系とシリコン系の2種類に分けられます。
フッ素系の防水・撥水スプレーとは?
フッ素系は繊維を細かくコーティングすることで撥水するもの。
適度に通湿性があるので皮革製品にも使用可能です。
シリコン系の防水・撥水スプレーとは?
シリコン系は対象物を丸ごと包む形になるので撥水効果は強力な代わりに透湿性を損なうために皮革製品には向かないものとなります。
スプレー加工を施したものと施していないものの違い
画面左側が撥水ケアを施してないもの、右側が撥水ケアを施したものになります。
左側は水滴が張り付いておりますが、右側は表面で水を弾いておりますので水滴が球形になっております。
革製品の正しい防水・撥水スプレーの使い方
一般的な革製品は、表面に埃や排気ガスなどの余計なものが付着してしまう前のできるだけ早い時期にフッ素系の防水アイテムを深く浸透させておく必要があります。
水に強くなるとともに、汚れも付着しにくくなるので一石二鳥です。
正しい防水・撥水スプレーの使い方手順
- 革製品全体をブラシ、ケアグローブを使い表面の汚れやホコリを取ります。
- レザーケア用クリームを少量スキンにつけ全体に満遍なく塗り伸ばします。
- ドライヤーの冷風で表面のクリームを乾かします。
- 撥水スプレーを全体的に塗布し、ブラシで均等に伸ばし表面に撥水加工を施します。
水に弱い革製品ですので、定期的なケアをして長く使えるようにしましょう。縁があって出会ったバッグへの気遣いができるということに大人の品格が感じられて素敵ですね。
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