ヌメ革の正しいエイジング方法4選|失敗させないための注意点や対策

「ヌメ側を綺麗にエイジングさせるにはどうすればいいんだろう?」と悩んではいませんか。
ヌメ革を綺麗にエイジングさせるためには、失敗させないための注意や対策が必要です。

今回はヌメ革の正しいエイジング方法や早くエイジングさせる方法をお伝えしたのちに、失敗させない為の注意点や対策についても紹介します。

この記事で紹介する「ヌメ革のエイジング方法」を実践すると、ヌメ革エイジングが初めての方でも味わい深くオシャレな革エイジングができるでしょう。

正しいやり方を知りながら、愛着が持てる自分だけのオリジナルなヌメ革アイテムを作っていきましょう。

まずはヌメ革の性質について知っておこう


ヌメ革とは、ベジタブルタンニン(植物性のタンニン)を使用し、なめされた皮革のこと。

定義が多く一言で述べるのは難しいのですが、簡単に言うと、染料を使用していない革です。
使用前は自然なベージュ色をした革ですが、使用していくうちに色が濃くなりツヤが出て味わいを持つようになります。

ヌメ革は表面加工がされていないため、自然な淡い色合いからツヤのある褐色へと変化しますが、その変化を「エイジング」と呼びます。

ヌメ革を綺麗にエイジングさせる方法4選


さっそくエイジング方法4選をお伝えしていきましょう。

  1. 使用頻度を高める
  2. ブラッシングをする
  3. クリームを使用する
  4. 日光浴させる

1. 使用頻度を高める

ヌメ革のエイジング方法として、一番簡単な方法が「使用頻度を高める」、すなわち日常的に使うことです。
ヌメ革は人の手で触ったり、衣服やバッグの中の小物と接触したりすることによってエイジングが加速します。

手の皮脂が革に浸透し、変化を付けていくのです。
そのため常に触っている箇所と、そうでない箇所では色やツヤが違ってきます。

手の皮脂だけに限らず、物や布との触れ合いもエイジングに影響するので、常にカバンの中で持ち歩くこともエイジングの一環となります。

エイジングは色の変化はもちろんのこと「革の硬さ」「ツヤの光沢感」「肌触り」が持つ人の癖となって表れます。

ヌメ革は、普段使いを楽しみつつエイジングまでも楽しむことができるアイテムなので、毎日持ち歩きながら、革の硬さや色合い、肌触りが日々変化していくのを実感してみてください。

2. ブラッシングをする

ヌメ革を綺麗にエイジングさせるためには、日頃のお手入れが大切です。
そのお手入れとして綺麗にエイジングさせるために一役買ってくれるのが、日頃のブラッシングとなります。
日常的なブラッシングが、革を長持ちさせるためにとても重要になります。

ヌメ革に付着する手の油分や汗に含まれる不純物・塩分は、私たちの知らないうちに革の表面の汚れとなってしまいます。
ペンケースや財布、ブックカバーなど日常的に手によく持つものほどお手入れしてあげるようにすれば、綺麗にエイジングが進んで行きます。

ブラッシングをする目的は、汚れを落とすことだけではありません。
ヌメ革表面のきめを均一に整えることができ、浅い傷も目立たなくなり革のツヤが出始めます。

ヌメ革はブラッシングの効果が比較的高いと言われています。
こまめなブラッシングを心がけて、愛着あるアイテムとしていきたいですね。

革製品のお手入れブラシには毛質の種類が多く、選ぶときに悩んでしまいます。
ブラシについても解説しておきます。
ブラシの種類は主に以下の4つです。

  • 【山羊毛】柔らかい毛で、繊細なフォーマルシーンでの革靴・革製品などのブラッシングに適している。
  • 【馬毛】比較的柔らかく、広く革製品のブラッシングに適している万能なブラシ。
  • 【化繊】少し硬さのある毛で、牛革の製品などに適している。比較的万能なブラシ。
  • 【豚毛】硬い毛で、登山靴やワークブーツの汚れ落としや、靴用クリームを延ばすためなどに使用される。
山羊毛・馬毛ブラシは、きめが細かくヌメ革を傷つけることなくブラッシングすることができます。

なお、おろしたてのヌメ革は防水スプレーをかけておくことも綺麗にエイジングを進めるには効果的ですし、ブラッシングのときに乾燥し過ぎているなと思えばクリームを使用してお手入れすることも効果的です。
クリームを使用してのお手入れについては次にお伝えしていきます。

3. クリームを使用する

素材そのものが自然の状態に近いヌメ革は、クリームを使用して乾燥を防ぐようお手入れをすることで綺麗にエイジング出来ます。

ヌメ革に適した専用のクリームを全体に薄く塗ってエイジングを楽しんでみてください。
クリーム内の栄養を革へ浸透させ、ヌメ革本来の力を引き出してあげましょう。

使用方法は、クリームによって使い方が違います。
商品に説明記載があるので、必ず確認して進めていきましょう。

ただ、クリームの塗り過ぎや重ね塗りなどはエイジングに悪影響を及ぼすので注意しましょう。
詳しくは後述します。


4. 日光浴をさせる

ムラなく綺麗にエイジングさせるためには「日光浴」も効果的です。

ヌメ革の特性として「日焼けのしやすさ」があります。
この特性を利用して、日光浴をさせれば、全体を色ムラなくエイジングできます。
そのうえ、日光浴によりシミや傷も出来にくくなるといった特性もあります。

ヌメ革の日光浴の手順は以下となります。


【ヌメ革日光浴の手順】
  1. 革製品専用のブラシ(多くは馬毛ブラシ)でホコリや汚れを落とす。
  2. 日が差し込む風通しのよい場所に1か月ほど置く。
  3. 日光浴により油分が表面に出てくるため、柔らかい布で乾拭きして革表面になじませる。
  4. 日光浴が完了したあとは、最後に専用クリームで保湿する。

【ヌメ革日光浴の注意点】
  • 日光浴はさせ過ぎると乾燥の原因となり製品の状態が悪くなるため、直射日光は避ける。
  • ほこりはエイジングのときに色ムラの原因となるので、定期的にブラッシングする。
  • 日光浴中に影の部分があると、色ムラの原因となるので気にかける。
以上の点に注意しながら行ってみてくださいね。

早くエイジングさせる方法


ヌメ革のエイジングを加速させる方法としては、今までお伝えした「使用頻度を高めること」や「日光浴をさせること」もその一部となりますが、さらにおすすめの方法が「二―フィットオイル」の使用です。

「二―フィットオイル」とは聞きなれませんが、牛のすねから抽出されている動物性の油脂のことで日本では「牛脚油(ぎゅうきゃくあぶら)」と言われています。
二―フィットオイルを塗ることで、ヌメ革のエイジングを加速させ早く褐色に近づけることが出来ます。


【二―フィットオイルの使用手順】
  1. 革製品専用のブラシ(多くは馬毛ブラシ)でホコリや汚れを落としていく。
  2. クリームを塗った直後であれば、残っている余分なクリームを落とす。
  3. 柔らかい布やパフなどに二―フィットオイルを一滴垂らし布やパフに浸透させる。 ※必ず1滴ずつ行いましょう。
  4. 素早くヌメ革全体に均一に塗り込む。
  5. 塗り終わったと感じたら、革製品専用ブラシでブラッシングしたのちにクロスで余分な油分を拭き取る。
  6. 日陰で一晩寝かせて完了。
一般的にクリームでのお手入れは磨いて綺麗にするイメージですが、二―フィットオイルはエイジングの加速が目的のため表面に薄く延ばすイメージです。


【二―フィットオイル使用時の注意点】
  • 二―フィットオイルには革を柔らかくする特性があるため塗り過ぎない。
  • 浸透性がよく、塗り過ぎは色ムラになるため注意が必要。 ※塗った直後の多少の塗りムラは時間が経てば浸透して均一になります。
  • オイルを直接ヌメ革に垂らすと、一点が濃いシミとなるため注意が必要。
  • 塗り過ぎは、褐色よりも黒色に近くなってしまうため過剰に塗らない。
  • エイジング加速のためのオイルの使用頻度は半年または1年に1回程度。
  • 普段のクリームやオイルを使用した、傷予防やツヤのためのお手入れとは別と考えておこなう。
ヌメ革のエイジングを加速したい、または色濃くしたいという方は、ぜひ実践していただきたい方法です。

二―フィットオイルをはじめて塗る作業は少し難しく感じるかもしれませんので、ヌメ側の切れ端などで練習や経過を観察してみるのもいいでしょう。
エイジングを加速することでヌメ革は強くなるので、そうした特性を利用して10年以上ヌメ革を使用している人も多いものです。

ヌメ革のエイジングを失敗させないための注意点や対策


ヌメ革のエイジングの方法についてをお伝えしましたが、エイジングを失敗させないための注意点や対策についても解説します。

水に濡れると修復が困難になるので注意

ヌメ革のエイジングの途中で注意していただきたいのが「水」と「湿気」
というのも、ヌメ革は表面を全く加工されていないため、水にとても弱いからです。

水に濡れると「シミ」「水ぶくれ」になってしまい、修復がとても難しくなります。
カバンなどであれば、突然の雨や湿気に気を付けなければなりません。

特にエイジングが進んでいない新しい状態のヌメ革は、水に濡れると濃いシミとなったり水ぶくれとなって残ってしまいます。
「耐水性」を高めるためには「ミンクオイル」を使用してのコーティングが有効です。

ミンクオイルとは、イタチ科の動物から取れる「脂」と「ろう」や「流動パラフィン」を固めて作ったオイルです。
さらに「石油系オイル」を含んでいるため水に強く、革製品に使用することで耐水性を強化し、傷を目立たなくしてくれるといったメリットもあります。

ミンクオイルは、クリームタイプやスプレータイプもありますがヌメ革にはオイルタイプがおすすめです。
おすすめの理由としては、クリームタイプよりも脂分が残りにくい特性があるために、最後の乾拭き作業などが不要となり失敗も防げます。
スプレータイプは大きな皮ジャケットや革靴などにおすすめです。


【ミンクオイルの使用手順】
  1. 革製品専用のブラシ(多くは馬毛ブラシ)でホコリや汚れを落としていく。
  2. ミンクオイルを少量(数滴)乾いた布にをつける。
  3. 革製品全体に、ムラがないように均一に伸ばす。

使用には注意点がいくつかあります。
※同じオイル成分のため、二―フィットオイルの注意点とよく似ています。


【ミンクオイルの注意点】
  • 革によってはシミや色落ちするものもあるので、目立たない部分で試してから使用する。
  • ミンクオイルには革を柔らかくする特性があるため塗り過ぎない。
  • 浸透性がよく、塗り過ぎは色ムラになるため注意が必要。 ※直後の多少の塗りムラは時間が経てば浸透して均一になります。
  • オイルを直接ヌメ革に垂らすと、一点が濃いシミとなるため注意が必要。
  • 塗り過ぎはカビの原因になりやすい。 ※潤いますが、与えすぎるとカビが好んで寄ってくる原因となります。
  • こまめに塗り過ぎると、ヌメ革が柔らかくなりすぎシワや型崩れの原因となる。
  • 普段のクリームやオイルを使用した、傷予防やツヤのためのお手入れとは別と考えておこなう。
ミンクオイルでのケアは、撥水効果や傷予防に大いに役立ってくれます。

万一水に濡れてしまったときには、なるべく早めに拭き取って乾かすようにしましょう。
濡れたまま放置すると、後に水の跡が濃くなったり水ぶくれとなったりするので注意が必要です。

直射日光に注意

ヌメ革は直射日光に弱いです。
綺麗なエイジングをさせるために「日光浴」をおすすめしましたが、あくまでも直射日光は避けることがポイントです。
直射日光が乾燥の原因となり、乾燥により製品そのものを傷めたりひび割れに繋がったりするからです。

夏の日差しや、屋外での長時間の放置は避けるように心掛けましょう。

お手入れについての注意点

お手入れの際の注意点も、ここでまとめてお伝えしておきたいと思います。

  • クリームの塗りすぎに注意。※革特有の風合いを壊してしまう可能性があります。
  • 必ずブラシでほこりを落としてから行う。
  • ブラッシングを行う時はヌメ革を傷めないためにも専用のブラシを使用する(馬毛がおすすめ)。
多くの注意点をお伝えしてきましたが、ヌメ革はポイントさえ押さえておけば扱いが難しいものではありませんので、あまり深く考えずに手持ちアイテムに取り入れてみましょう。

ヌメ革のエイジングに失敗してしまった場合の対処方法

最後に、エイジング途中で「乾燥によるヒビ割れ」「水シミ」などが出来てしまった場合の対処方法をお伝えします。

乾燥によるヒビ割れ

ヌメ革の乾燥には、革専用の保湿クリームが効果的です。
定期的にお手入れをしていれば問題はありませんが、乾燥に気付いたときには早めに対処しましょう。
なお、クリームの塗り過ぎは革を傷めてしまいますので様子を見ながら行いましょう。

水シミ

ヌメ革の水シミへの対処法は、濡らしたクロスを固く絞りその部分と付近を叩きましょう。
汚れを落とすというよりは、シミを周辺に馴染ませて目立たなくするイメージです。

その後は風通しの良い日陰で乾燥させましょう。※なお、エイジングが進行している状態では水シミは付きにくくなります。

やっかいなのが、コーヒーやソースなどによるシミです。
水シミと違い非常に落ちにくいです。
対処が難しい場合は自分で行わず、専門のクリーニング業者に相談してみましょう。

まとめ


今回は「ヌメ革のエイジング方法」について、失敗させないための注意点や対策、エイジングの加速方法などをお伝えしました。

ヌメ革は皮革の中でも比較的扱いやすい素材です。
エイジングがある程度進めば「傷や汚れ」「水シミ」も目立たなくなるでしょう。

ある程度お手入れをしていれば、少しの色ムラなどはオリジナリティに思えてきたりします。
ぜひ、ヌメ革のエイジング方法を覚えて愛用の革製品を長く使ってみてください。