革のエイジングって何?レザー製品を楽しむ方法から失敗例まで!

革のエイジングという言葉を聞いたことはありますか?

革のエイジング(経年変化)について、まだあまりご存じのない方には朗報です。
なぜなら、革製品のエイジングについて理解できれば、今より革が楽しめるようになるからです。

革のエイジングって何?言葉は聞いたことがあるけどよく分からない...
レザー製品を今より、もっと楽しみたい!」

こういった、お考えをお持ちの方には、ぜひ記事を最後まで読んでいただきたいです。

本記事では、革製品のエイジングについてご理解頂き、最終的にはご自身で革のエイジングを楽しめるように具体的な方法まで解説します。

最後まで読み進めていただき革製品のエイジングについて知識が深まれば、革に対する新しい楽しみ方を発見できるでしょう。

ぜひ、ご一読ください。

 

革のエイジングとは何か?

エイジングした革表紙本数冊の写真
エイジングという言葉を聞いたことがある人は多いかと思いますが、革製品のエイジングは一般的な意味と少しニュアンスが異なります。

一般的なエイジングの意味は、「時を経ること」です。
例えば、人間であれば年を重ねることをエイジングと言い、お酒では熟成度合いを示すときにエイジングという言葉が使われます。

一方で革製品のエイジングとは、「時間が経って、革に特有の味が出てくること」という意味になるでしょう。

「この革は長年使ってきたから味が出ている。」のような言葉を1度は聞いたことがあると思いますが、まさにエイジング効果について語っていることになります。

革製品のエイジングは、時間が経って革に味が出ていく一連の流れのことを示すわけですね。

革のエイジングによる製品の変化

エイジングした革のスーツケース
革製品のエイジングでは、いろいろな変化の現れ方があります。
なぜなら革製品を構成している要素はたくさんあるからです。

例えば、「色、形、ツヤ、なめらかさ」などがあります。
これらの要素の1つ1つがそれぞれ変化していくことを総じて、革製品のエイジングと言えるでしょう。

革製品を構成する要素の変化について1つずつ解説していきますね。

色の変化

革製品の多くは時が経つにつれて、明るい色から濃い色へと変化していきます。

なぜ色が濃くなっていくのか、その理由には手の脂などの付着等も上げられますが、大きな要因としては、革に含まれるタンニンという化合物が関係しています。
革製品のタンニンは空気や紫外線に触れることによって、酸化し色がどんどん濃くなっていきます。

例えば、野球のグローブのように空気や紫外線に触れる機会の多い革製品は色が濃くなっているのがイメージしやすいのではないでしょうか?

革製品の色の変化は、基本的に明るい色から濃い色への変化となるでしょう。

形の変化

革製品の形の変化では、革自体が丸みの帯びた状態で優しい印象になります。
なぜなら、革は使えば使うほど柔らかくなり、角がある部分も丸みを帯びていくからです。

新品の状態では角がはっきりしている製品でも、時が経つに連れて柔らかくなる革の性質のおかげで、どんどん丸みを帯びていきます。
革製品は使い込むほどに、優しい印象になっていくでしょう。

ツヤの変化

ツヤの変化という面では、使えば使うほど革に光沢が出てきます。

このツヤの“経年変化”が起こる理由は、使用時に手で触れたりポケットの中等の衣服に擦れたりするなどの摩擦が主な要因と言えます。
革表面には細かな凹凸があり、そのでこぼこがならされることでツルツルとした表面になり、ツヤとなります。

オイルレザーの場合は、なめしの工程でたっぷりと時間をかけて油分を含ませているので、使い込むうちにオイルが浮き出てきます。
表面がコーティングされることでツヤとなって美しい光沢を放ちます。

革製品は使うほどにツヤが増していくので、“エイジングの証”が消えないように、オイルなどでしっかりとメンテナンスをしながら使用していくことをおすすめします。


なめらかさの変化

革表面の手触りも変化していきます。
定期的なお手入れは革をなめらかな質感へと変化させますが、まったくケアをしなければ革表面はカサカサと粗くなってしまいます。

理由は、ツヤの変化と同様でオイルやクリームを塗ってお手入れすることで表面が覆われ、なめらかになるからです。
逆に、何もお手入れをしないと革の表面は油分を失い、どんどんザラザラとした粗い状態になってしまいます。

革製品のなめらかさを保つためには、オイルやクリームで油分をしっかり補給し、定期的にメンテナンスを行いましょう。



色別の革製品のエイジング

たくさんの革財布の写真
革製品のエイジングでは、元の色によって変化の仕方が異なります。
基本的な考え方としては、「明るい色→濃い色」という変化の仕方ですが、元の色が違えば多少は変化の仕方も変わっていきます。

革製品を購入するときは、時間を経てどんな色へと変化するのかをイメージしておくことも選択のポイントとなるでしょう。
それでは、色別の革製品のエイジングをご紹介していきます。

黒色の革製品

黒色の革製品はエイジングによって、光沢のある黒色に変化していきます。
お手入れを重ねることで表面がオイルなどで覆われ、光の反射を受けやすくなるからです。

基本的なエイジングの色の変化は「明るい色→濃い色」ですが、黒色の革の場合は色の変化はあまりないと言えるでしょう。

エイジングした黒色の革ベルト

上記画像の黒色の革ベルトのように色はそこまで変化せず、味が出ていくイメージを持っていただければと思います。

茶色の革製品

茶色の革製品はエイジングによって、こげ茶色に近づいていきます。
明るい茶色ほど色の変化はより大きくなります。
エイジングした焦げ茶色の名刺入れ

元の色から徐々に濃い色となり、深みを増し、この画像の財布のようなこげ茶色へと変化することが多いでしょう。

使えば使うほど味となって色に変化が出てくるので、エイジングによって革が変化していくのを楽しみたい人にはおすすめの色です。


紺色の革製品

紺色の革製品は、どんどん黒に近い色になっていきます。
もし、紺色が好きで黒っぽくなってほしくない方は、少し明るめな青色のものを購入しておくことをおすすめします。

青色はエイジングが進むと黒さが増して紺色っぽくなっていくためです。

青色の革財布が黒色に近い紺色へエイジングした写真

この画像のように、一見黒色に見えるくらいまで紺色の革製品はエイジングによって色が大きく変化することも多いです。

紺色の革製品は、色の明るさによって変化した後の色に違いが出てきます。
5年後に紺色を目指すなら、経年変化を見越してワントーン明るめのものを選ぶというのも手かもしれません。

革のエイジングを早める方法

エイジングしたたくさんのスーツケースの画像
革製品のエイジングを早める方法は、とにかくたくさん使うこと。
毎日、使うことで革に摩擦がおきたり、外気に触れることによって酸化したりとエイジングを効率よく進めてくれます。

しかし、毎日使えない革製品もあると思います。
例えば、革靴や革のバッグなどは時と場合によって、どうしても使えないこともあるでしょう。
毎日、使えない革製品のエイジングを加速させるには、以下のステップを繰り返すと効果的です。

  • 布で乾拭きをする
  • オイルで仕上げをする

  • 上記のステップを繰り返すことで毎日使えない革製品でもエイジングを早めることができるでしょう。

    とは言っても、やりすぎは厳禁。
    革製品のエイジングを早めたい人は、以下の記事を参考にしてみてください。

    革製品のお手入れについて詳しく解説しています。
    ◆これで完璧!革財布の日常のお手入れ方法からトラブル対処法まで

    革のエイジングでの失敗例

    道路に置かれた革のボストンバッグ
    革製品を持つ楽しみの1つは美しく変化していくそのさま。
    しかし、場合によっては革のエイジングで失敗してしまうこともあります。
    理由はお手入れの方法を誤っていることが多いようです。

    特に多くみられる失敗例は「お手入れ不足でカビが生えてしまう」ことや「オイルやクリームの塗り方が雑でシミやムラができる」などです。
    エイジングを早めたい人が、お手入れのやり過ぎで失敗しているケースと、お手入れをしないために起きているケースがあることが分かります。

    ちょうど良い手入れの度合いが重要ですので、エイジングで失敗をしないためにもぜひ読み進めてください。

    お手入れ不足でカビが生えてしまう

    革製品は、お手入れを全くしないとカビが生えてしまいます。
    革にカビが生えてしまう原因は大きく分けて以下の3つ。

  • 保管温度
  • 保管湿度
  • 汚れやゴミの放置

  • カビが繁殖しやすい温度は20~30℃と言われているので、できるだけ涼しい場所で保管しましょう。
    湿度は70~80%を超えるとカビが繁殖しやすくなるので、風通しの良さも重要です。

    また、汚れやゴミなどが付いたままの状態で使用・保管することもカビの発生を促してしまいます。
    ブラシで汚れやゴミを取り除く、拭き取りできれいな状態を保つことがカビの発生を防ぐことにつながります。

    オイルの塗り方が雑で色にムラができる

    革製品には適度なメンテナンスがエイジングに効果的ですが、お手入れをやり過ぎてしまうとエイジングの失敗につながります。
    「手入れをたくさんする分には問題ないのでは?」と感じるかもしれませんが、これは間違い。

    理由は、革製品の手入れをするためのオイルやクリームには薬品が含まれており、塗りすぎると逆に革を傷めてしまったり、ムラやシミにつながります。

    例えば、人や動物にも薬品を適量塗ると効果を発揮すると思いますが、塗りすぎると悪化してしまいますよね。
    革製品も同じで適度に適量を塗ってメンテナンスしていくことが重要です。

    まとめ : 革のエイジングを楽しむには?

    エイジングした革の名刺入れ
    今回の記事では、革製品のエイジングを楽しむ方法から失敗を避ける方法まで解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
    最後に記事の内容をまとめます。

    革製品のエイジングとは、「時間が経って、革に特有の味が出てくること」。
    エイジングが進むと以下の4つの変化があらわれます。

    • ツヤ
    • なめらかさ

    また、革製品は色によっても変化が異なります。
    基本的には、「明るい色→濃い色」へと変わっていきますが、色別に例をあげると以下の通りです。

    • 黒色→色は変わらずツヤが出る
    • 茶色→こげ茶に近づく
    • 紺色→黒色に近づいていく

    革製品のエイジングを早める方法は、適度なタイミングで以下のステップを繰り返すことです。

    • 布で乾拭きをする
    • オイルで仕上げをする
    エイジングに失敗してしまう例として、「革にカビが生えてしまう」、「革にシミ、ムラが出てしまう」といったことがあります。
    カビは、温度が20~30℃以上、湿度は70~80%以上の環境で繁殖しやすいので、保管場所にも注意が必要。
    また定期なメンテナンスをすることで革製品のエイジングの失敗を避けられます。

    革製品は、使ってお手入れをしていくとどんどん味が出ていくもの。
    本記事の内容を参考にして革製品のエイジングを楽しみましょう。

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