2023年 10月 15日アドバイス
ビジネスマンのスーツはここを押さえよう!基本やマナー・着こなし方
ビジネスマンにとってスーツの着こなしはとても大事。
スーツ姿の印象によって、瞬時に仕事の良し悪しまで判断されてしまうことも多々あるからです。
この記事では、スーツの基礎知識やマナーから、できる男に見える着こなし法まで、詳しく解説しています。
「おしゃれは苦手だし、着こなしってどうすればいいかわからない」 というビジネスマンでも大丈夫。
センスが必要なのではなく、スーツ選びや着こなしの基本を押さえることが何より重要なのです。
ぜひ本文を最後まで目を通して実践してください。
きっと、スーツ姿に自信が持てるようになりますよ。
普段は気に留めない細かな部分に注目してみることで、それぞれの印象の違いにも敏感になれます。
また、自分の好みを知ったり、スーツを購入する際にも役立つでしょう。
・シングルスーツ
・ダブルスーツ
シングルスーツはボタンの並び方が一列のスーツです。
2つボタンのシングルスーツはビジネススーツで最もポピュラーな形。
3つボタンタイプはおしゃれを楽しめるネクタイ部分のVゾーンが狭くなり、クラシックな印象です。
また、「段返り3つボタン」は一番上のボタンが襟に隠れるように装飾としてつけられているもの。
ボタンホールも装飾なので1番上のボタンはかけませんが、スタイリッシュで洗練された印象を与えます。
ビジネススーツはジャケットとパンツがセットの「ツーピース」が多いですが、ベストを加えた「スリーピース」である三つ揃えも人気があります。
・ノッチド・ラペル ビジネススーツの襟の定番
・ピークド・ラペル 下襟の剣先が上を向いているタイプでフォーマルウェアに多い
・ショールカラー 上襟と下襟がつながってカーブしているタキシード向けの襟
ピークド・ラペルのスーツは華やかな印象となるため、ビジネスシーンには不向きです。
しかし、パーティーシーンやビジネスカジュアルOKな職場では、着こなしを楽しむことができるでしょう。
襟の角度や形によって様々な種類がありますが、ビジネスシーンに馴染むのは以下の3種類。
・レギュラーカラー 一般的な形で、襟の角度が65度のもの。
・ワイドカラー 角度が100~140度と大きく広がっているもの。
・セミワイドカラー 角度はレギュラーとワイドの中間で90度程度のもの。
フォーマルな場面ではレギュラーカラーが基本とされ、ビジネスではセミワイドがよく使われています。
いつもと同じスーツでも、ワイドカラーに大きい結び目のネクタイを合わせるだけで違った感じを演出できます。
また、柄または色無地のシャツで襟とカフス部分のみ白くなっているクレリックシャツは華やかで、かつコーディネートが楽しめる万能ワイシャツです。
このほか、ビジネスカジュアルでよく使われる襟には以下のものがあります。
・ボタンダウンカラー 襟にボタンが付いているもの
・ホリゾンタルカラー 襟の角度がほぼ180度のカラー
・ドゥエボットーニカラー 1番目のボタンの位置に縦付のボタンが2つあり、襟が高くなっているもの。
ボタンダウンのシャツはカジュアルなので、フォーマルシーンのスーツには合わせないのが基本です。
ジャケパンスタイルにはぴったりですね。
ベントによって、裾の長いスーツのジャケットでも動きやすくなります。
・センターベント 中央に一本の切れ込み
・サイドベンツ 左右に2本の切れ込み
・フックベント センターベントのアレンジで、上部がかぎ型に曲がっている
・ノーベント ベントなし。礼服など伝統を重んじる場にふさわしい
センターベントはシャープでシンプルな着こなしができ、サイドベンツは威厳あるクラシックなシルエットが魅力です。
フックベントはモーニングコートなどで使われ、ビジネスではあまり見られませんが、ディテールでおしゃれを楽しみたい人が取り入れています。
ヒップが大きい人はサイドベンツを選ぶと圧迫感がなくなるのでおすすめ。
購入時にあるベント部分の仕付け糸は、着用時には必ず取り除きます。
・ラペル 下襟
・ラペルホール 左胸の下襟にあるホールでボタン穴の名残。社章や花・ラペルピンを留める所
・ゴージ 上襟と下襟との縫い目のこと。バブル期のスーツはゴージラインが低く、今は高めのものが主流
・ブレストポケット
胸ポケット 装飾用でポケットチーフを差すのに使う
・スラントポケット
ジャケットの腰ポケットが斜めになっている英国式ポケット
・チェンジポケット
腰ポケットの上部にある小さめのポケットで、小銭を入れるポケットとされてたが、現在は装飾であることが多い
・フロントダーツ
ジャケット前面の両側にある縦線のつまみ縫いのこと。スーツのシルエットを決める部分で、大きく取るほどウエストがスリムに。
・フロントカット
ジャケットの前裾のカットのこと。丸く曲線を描くようにカットするラウンデッドフロントが一般的だが、開き方には違いがある
・本切羽
ジャケットの袖口のボタンが開けられるもの。開き見せと言われる開けられない装飾ボタンが一般的
それぞれは細かなことなので軽視してしまいがちですが、マナーを心得えている人には気になることも多いもの。
無知な印象やだらしない印象を与えないためにも、基本マナーをしっかり知っておきましょう。
ボタンをすべて留めてしまうと、前裾が寄って不格好になり、スーツにシワをつけてしまいます。
シングル・ダブル、2つボタン3つボタン関係なく、一番下は留めないと覚えておきましょう。
大事な商談でも着席時のジャケットボタンはすべて外して問題ありません。
席を立った時に、さりげなく必要なボタンを留めるようにしましょう。
そのため、室外では出し、室内では中に入れるというのがマナーとされています。
しかし、ビジネスシーンでは外に出したままでも大丈夫。
知識として知っておき、片方だけ出ていたり中途半端に出ていないかに気を付けるだけでよいでしょう。
逆にフォーマルスーツでは、フラップなしのパイピングポケットが主流という事からわかるように、フラップはしまうのがマナーです。
白のシンプルなボタンダウンシャツならスーツにも合いそうですが、やはりカジュアルな印象は否めません。
社内では問題ありませんが、フォーマルな場や大事な商談などのきっちりしたビジネスシーンでは避けるのが無難です。
ラインがぼやけていたり、パリッとしたプリーツのないパンツはだらしなく見えてしまうので、きちんとセンタープレスが入っているものを履きましょう。
アイロンでも折り目がつけられますが、クリーニング店で加工を依頼すると長持ちします。
足を組んだ時スネが見えないように、長めで濃い色のソックスを選びます。
くれぐれも、白色やくるぶし下丈のソックスを合わせてはいけません。
しかし、日本では独自の文化としてリクルートスーツやビジネススーツにも黒が用いられています。
もしビジネススーツに黒を選ぶなら、「外国人との商談では着用しない」「フォーマルの黒はビジネスの黒よりも濃く、光沢やディテールには違いがある」などよく理解することが大切です。
また、リクルートスーツに黒が多く、若いビジネスマンが着ると幼い印象を与えかねない点にも注意が必要です。
おしゃれですが華やかすぎる印象を与えかねないので、ビジネスシーンでは一番シンプルな「TVホールド」にするとよいでしょう。
白のリネン素材のチーフを四角に折りたたみ挿すだけで、とても上品かつスマートに見えます。
基本のルールを押さえることが何よりも大事。
逆に言えば、それだけで着こなし上手なビジネスマンになれるので簡単ですね。
以下、着こなしのポイントです。
オーダーメイドは既製サイズで対応できない微妙なサイズ調整ができ、ジャストサイズを手に入れられるから人気なのです。
<ジャストサイズのスーツとは?>
・肩幅は実際のサイズに左右1㎝ほどの余裕があるもの
・着丈はちょうどヒップが隠れる程度
・胴回りはボタンを留めた状態でこぶし1つ分ぐらいの余裕があるもの
・袖丈は手を90度に曲げた時に甲にちょうど触れるぐらい
・パンツの裾上げの長さは、靴の甲にわずかにあたる長さのハーフクッションか、裾が甲にあたらない短めのノークッションがよい
シャツの袖が伸びてこないよう、袖口ボタンの調整も忘れないように。
半袖シャツは論外です。
常に腕時計が外に出ていないか気をつけましょう。
ポケットに分厚い財布や重いものを入れると、シワの原因になり、シルエットを崩すことになってしまいます。
ポケットには極力物を入れないようにしましょう。
また、続けて何日も着用したり、使い古してヨレヨレになったものを着続けるのもNGです。
上質なスーツを着ていても、姿勢が悪いとせっかくのシルエットが活きてきません。
筋トレをして胸や肩・背中を鍛えたり、猫背をなおすのも効果的です。
特に靴はブラッシングやレザーオイルなどのお手入れを欠かさず、汚れや履きジワのないものを履くとおしゃれにきまります。
ポリエステル混合のスーツはシワになりにくいなどのメリットもありますが、チープな印象を与えるので、勝負スーツにはウール生地を選びましょう。
さらにおしゃれを楽しみたい場合は、Vゾーンでネクタイやシャツを取り換え、そのコンビネーションでおしゃれを楽しむとよいでしょう。
さりげない粋なおしゃれとして、オーダーメイドのオプションで人気があります。
スリーピース着用の注意点は以下になります。
・ベストの丈は、シャツやネクタイ、ベルトのバックルが見えない程度
・本来はベルトではなくサスペンダーでパンツを固定するのが一般的
・ベストの1番下のボタンは留めないのがマナーだが、裾広がりなら留めてもよい
・ジャケットのボタンは全開でもよい
・シャツの襟の剣先はベストに隠すのがマナー
・ジャケットを脱いだ着こなしはきちんとして見えるがフォーマルではない
スーツは1度着たら、2日は休ませるようにします。
それは長く着続けるための工夫でもありますので、余裕があればできるだけスーツの数を増やし、休ませる間隔を伸ばすとよいです。
素材や織り方、背中部分の生地の有無にも違いがあり、その季節に快適に過ごせるように工夫がされています。
オールシーズン用のスーツもありますが、どうしても夏に暑く、冬には寒く感じられるので、真冬・真夏には春夏用・秋冬用が必要になるでしょう。
春夏用・秋冬用をそれぞれ3着以上持っているとよいです。
出張が多いビジネスマンはもっと必要になるでしょう。
白やサックスブルーで無地のシャツは、スーツを替えても着回しできる必需品。
それからアレンジできる柄シャツやカラーの違うものを買い足していくとよいですね。
年代や役職に合わせてスーツの価格を上げていくという着方が多いようです。
新入社員のスーツの相場は2~3万円、20~30代で中堅クラスなら4~5万円以上のもの、課長・部長などの役職がある人は7~10万円以上のスーツを身につけるのが相場です。
<ビジネススーツとの違い>
・デザインが会社受けのよい個性を抑えた無難なものである
・ポリ混紡で、連日の使用でもシワになりにくい
・就活のみの着用前提なので、耐久性は低く、低価格
リクルートスーツは就活後も大学の卒業式や結婚式などで使えます。
また、入社したての間は会社へ着て行っても問題ありませんが、ある程度したらビジネススーツを新調するのが一般的です。
そういった面から、はじめからオーソドックスなビジネススーツを買い求める就活生も多くなっています。
スーツのおしゃれは人目を引くカラーや柄にあるのではなく、自分を一番引き立てて見せるぴったりのサイズと上質な質感にあります。
オーソドックスな色柄をうまく着こなせるようになってから、ディテールのおしゃれを楽しむのがおすすめです。
対人関係も多くなり、スーツのバリエーションも必要とされますが、同時におしゃれの幅も広がりますね。
できるだけ長く着続けるために以下の点に気をつけていきましょう。
そうすることで、スーツにしみ込んだ水分を蒸発、臭いを飛ばしシワを伸ばし、型崩れを防ぐことができます。
休ませないで着続けると生地の劣化を進めてしまいますので気をつけましょう。
パンツは二つ折りにして吊るすのが一般的ですが、専用のハンガーに裾部分を挟み、逆さに吊るすのがおすすめです。
パンツ自身の重みでシワを伸ばすことができます。
定期的に柔らかいブラシでブラッシングすることで、シミや生地劣化を防ぐことができます。
汗や臭いが気になる場合や汚してしまった場合は、できるだけ早く対処することが大切です。
スーツ新調の際には、パンツの股部分の裏地に補強用の布であるシックがあるかを確認するのがおすすめです。
また、ジャケット1枚に対してパンツを2枚購入するのもよいでしょう。
最後に、これだけは持っていたいという定番アイテムと応用アイテムを見ていきます。
ネイビー・グレーと一言で表してもその色幅は広く、微妙な色の違いによって全く違った印象にもなるのです。
また、ネクタイの色や柄、シャツの色や柄のチョイスによってもガラッと印象を変えられます。
知的・真面目・若々しい印象を与えるネイビースーツ、落ち着いてクールな印象のグレースーツは定番として持っておいて損はありません。
清潔感や誠実さを感じる白シャツはどんなシーンでも、どんなアイテムとも合わせられるので何枚も持っていたいですね。
無地・ドット柄・レジメンタルストライプ柄など、手持ちのスーツに合わせたいものを追加していきましょう。
ただ、ビジネスシーンではあまり派手なもの、柄の大きなものは避けましょう。
ストライプスーツには、遠くからは無地に見えるほど薄いラインをもつ「シャドーストライプ」や、小さい点で構成された「ピンストライプ」、細い鉛筆で線をひいたような「ペンシルストライプ」、白いチョークで線をひいたような「チョークストライプ」などがあります。
ただ、フォーマルなビジネスシーンには、あまり線がはっきりしすぎているものは合いませんので、その点に留意しながら選びます。
また、柄のスーツには柄シャツや柄ネクタイより無地シャツ・無地ネクタイの方が上品にまとまります。
「柄物はスーツ・シャツ・ネクタイのうちの1つだけにする」という基本ルールに沿ってコーディネートするとよいでしょう。
このように、フォーマルなビジネスシーンでは高度なおしゃれは必要ありません。
もちろん色彩感覚に優れた人は柄物同士の組み合わせで高度なおしゃれをしてもよいですが、自信のない人は柄物は1点と決めた方が上手に着こなせます。
単調で物足りないという場合には、品の良いカフスやネクタイピン・チーフ・革小物をおしゃれの小道具として取り入れていけばよいのです。
着こなし上手になるには、基礎知識を頭に入れたうえで、ジャストサイズのスーツを選び、シルエットに気をつけた振る舞いをすることが大事。
フォーマルなビジネスシーンでは、人目を引くおしゃれより、柄を1つに抑えたベーシックな着こなしが落ち着いて素敵に映ります。
この記事を参考に、相手に信頼感を持ってもらえるような、清潔感あるスーツを身につけましょう。
スーツ姿の印象によって、瞬時に仕事の良し悪しまで判断されてしまうことも多々あるからです。
この記事では、スーツの基礎知識やマナーから、できる男に見える着こなし法まで、詳しく解説しています。
「おしゃれは苦手だし、着こなしってどうすればいいかわからない」 というビジネスマンでも大丈夫。
センスが必要なのではなく、スーツ選びや着こなしの基本を押さえることが何より重要なのです。
ぜひ本文を最後まで目を通して実践してください。
きっと、スーツ姿に自信が持てるようになりますよ。
ビジネスマンのスーツの基本
まずは、スーツの種類や名称などの基礎知識を整理します。普段は気に留めない細かな部分に注目してみることで、それぞれの印象の違いにも敏感になれます。
また、自分の好みを知ったり、スーツを購入する際にも役立つでしょう。
ビジネススーツの種類
大きく分けると、ビジネススーツは2つに分類されます。・シングルスーツ
・ダブルスーツ
シングルスーツはボタンの並び方が一列のスーツです。
2つボタンのシングルスーツはビジネススーツで最もポピュラーな形。
3つボタンタイプはおしゃれを楽しめるネクタイ部分のVゾーンが狭くなり、クラシックな印象です。
また、「段返り3つボタン」は一番上のボタンが襟に隠れるように装飾としてつけられているもの。
ボタンホールも装飾なので1番上のボタンはかけませんが、スタイリッシュで洗練された印象を与えます。
ビジネススーツはジャケットとパンツがセットの「ツーピース」が多いですが、ベストを加えた「スリーピース」である三つ揃えも人気があります。
ジャケットの襟の種類
ジャケットの襟(ラペル)にも種類があります。・ノッチド・ラペル ビジネススーツの襟の定番
・ピークド・ラペル 下襟の剣先が上を向いているタイプでフォーマルウェアに多い
・ショールカラー 上襟と下襟がつながってカーブしているタキシード向けの襟
ピークド・ラペルのスーツは華やかな印象となるため、ビジネスシーンには不向きです。
しかし、パーティーシーンやビジネスカジュアルOKな職場では、着こなしを楽しむことができるでしょう。
シャツの襟の種類
スーツに合わせるワイシャツの襟は、Vゾーンの印象を決めるひとつの重要アイテム。襟の角度や形によって様々な種類がありますが、ビジネスシーンに馴染むのは以下の3種類。
・レギュラーカラー 一般的な形で、襟の角度が65度のもの。
・ワイドカラー 角度が100~140度と大きく広がっているもの。
・セミワイドカラー 角度はレギュラーとワイドの中間で90度程度のもの。
フォーマルな場面ではレギュラーカラーが基本とされ、ビジネスではセミワイドがよく使われています。
いつもと同じスーツでも、ワイドカラーに大きい結び目のネクタイを合わせるだけで違った感じを演出できます。
また、柄または色無地のシャツで襟とカフス部分のみ白くなっているクレリックシャツは華やかで、かつコーディネートが楽しめる万能ワイシャツです。
このほか、ビジネスカジュアルでよく使われる襟には以下のものがあります。
・ボタンダウンカラー 襟にボタンが付いているもの
・ホリゾンタルカラー 襟の角度がほぼ180度のカラー
・ドゥエボットーニカラー 1番目のボタンの位置に縦付のボタンが2つあり、襟が高くなっているもの。
ボタンダウンのシャツはカジュアルなので、フォーマルシーンのスーツには合わせないのが基本です。
ジャケパンスタイルにはぴったりですね。
ベントの種類
ベントとは、スーツジャケットの後ろの縦の切れ込みのこと。ベントによって、裾の長いスーツのジャケットでも動きやすくなります。
・センターベント 中央に一本の切れ込み
・サイドベンツ 左右に2本の切れ込み
・フックベント センターベントのアレンジで、上部がかぎ型に曲がっている
・ノーベント ベントなし。礼服など伝統を重んじる場にふさわしい
センターベントはシャープでシンプルな着こなしができ、サイドベンツは威厳あるクラシックなシルエットが魅力です。
フックベントはモーニングコートなどで使われ、ビジネスではあまり見られませんが、ディテールでおしゃれを楽しみたい人が取り入れています。
ヒップが大きい人はサイドベンツを選ぶと圧迫感がなくなるのでおすすめ。
購入時にあるベント部分の仕付け糸は、着用時には必ず取り除きます。
スーツの部分名称
・カラー 上襟・ラペル 下襟
・ラペルホール 左胸の下襟にあるホールでボタン穴の名残。社章や花・ラペルピンを留める所
・ゴージ 上襟と下襟との縫い目のこと。バブル期のスーツはゴージラインが低く、今は高めのものが主流
・ブレストポケット
胸ポケット 装飾用でポケットチーフを差すのに使う
・スラントポケット
ジャケットの腰ポケットが斜めになっている英国式ポケット
・チェンジポケット
腰ポケットの上部にある小さめのポケットで、小銭を入れるポケットとされてたが、現在は装飾であることが多い
・フロントダーツ
ジャケット前面の両側にある縦線のつまみ縫いのこと。スーツのシルエットを決める部分で、大きく取るほどウエストがスリムに。
・フロントカット
ジャケットの前裾のカットのこと。丸く曲線を描くようにカットするラウンデッドフロントが一般的だが、開き方には違いがある
・本切羽
ジャケットの袖口のボタンが開けられるもの。開き見せと言われる開けられない装飾ボタンが一般的
ビジネスマンのスーツに関する基本的マナー
ビジネスシーンでは様々なマナーがありますが、スーツに関しても例外ではありません。それぞれは細かなことなので軽視してしまいがちですが、マナーを心得えている人には気になることも多いもの。
無知な印象やだらしない印象を与えないためにも、基本マナーをしっかり知っておきましょう。
1番下のボタンは留めない
スーツは、そのシルエットが最も美しく見えるよう、一番下のボタンは留めないのがマナー。ボタンをすべて留めてしまうと、前裾が寄って不格好になり、スーツにシワをつけてしまいます。
シングル・ダブル、2つボタン3つボタン関係なく、一番下は留めないと覚えておきましょう。
座る時はボタンを外す
また、スーツのボタンをつけたまま座ると、シワをつけてしまうだけでなく窮屈で動きにくくなってしまいます。大事な商談でも着席時のジャケットボタンはすべて外して問題ありません。
席を立った時に、さりげなく必要なボタンを留めるようにしましょう。
ポケットのフラップを屋外では出し、室内では入れる
ポケットのフラップ(ふた)は、本来雨や埃を防ぐためのものです。そのため、室外では出し、室内では中に入れるというのがマナーとされています。
しかし、ビジネスシーンでは外に出したままでも大丈夫。
知識として知っておき、片方だけ出ていたり中途半端に出ていないかに気を付けるだけでよいでしょう。
逆にフォーマルスーツでは、フラップなしのパイピングポケットが主流という事からわかるように、フラップはしまうのがマナーです。
ボタンダウンシャツをスーツに合わせない
襟にボタンのあるボタンダウンシャツは、ネクタイを締めてもシャツ一枚でも綺麗に着こなせる人気アイテム。白のシンプルなボタンダウンシャツならスーツにも合いそうですが、やはりカジュアルな印象は否めません。
社内では問題ありませんが、フォーマルな場や大事な商談などのきっちりしたビジネスシーンでは避けるのが無難です。
パンツにはセンタープレスのあるものを
スーツパンツの中央にプレスされたラインは、スーツの立体感を出し、美しく着こなすのにとても重要。ラインがぼやけていたり、パリッとしたプリーツのないパンツはだらしなく見えてしまうので、きちんとセンタープレスが入っているものを履きましょう。
アイロンでも折り目がつけられますが、クリーニング店で加工を依頼すると長持ちします。
スネは隠す
ビジネスではパンツの裾から肌が見えてしまうのはNGです。足を組んだ時スネが見えないように、長めで濃い色のソックスを選びます。
くれぐれも、白色やくるぶし下丈のソックスを合わせてはいけません。
黒いスーツには注意が必要
黒のスーツはタキシードや喪服などのフォーマルウェアに限られ、ビジネスで使う色ではないと考えるのが世界一般の常識です。しかし、日本では独自の文化としてリクルートスーツやビジネススーツにも黒が用いられています。
もしビジネススーツに黒を選ぶなら、「外国人との商談では着用しない」「フォーマルの黒はビジネスの黒よりも濃く、光沢やディテールには違いがある」などよく理解することが大切です。
また、リクルートスーツに黒が多く、若いビジネスマンが着ると幼い印象を与えかねない点にも注意が必要です。
チーフはTVホールドが無難
海外ではスーツには必ずと言っていいほどポケットチーフが添えられますが、日本ではあまり見かけません。おしゃれですが華やかすぎる印象を与えかねないので、ビジネスシーンでは一番シンプルな「TVホールド」にするとよいでしょう。
白のリネン素材のチーフを四角に折りたたみ挿すだけで、とても上品かつスマートに見えます。
ビジネススーツの着こなしのポイント
ビジネスシーンで求められるスーツの着こなしは、ファッション性や個性を押し出したものではありません。基本のルールを押さえることが何よりも大事。
逆に言えば、それだけで着こなし上手なビジネスマンになれるので簡単ですね。
以下、着こなしのポイントです。
ジャストサイズのスーツを着る
スーツはサイズ選びが何よりも大事。オーダーメイドは既製サイズで対応できない微妙なサイズ調整ができ、ジャストサイズを手に入れられるから人気なのです。
<ジャストサイズのスーツとは?>
・肩幅は実際のサイズに左右1㎝ほどの余裕があるもの
・着丈はちょうどヒップが隠れる程度
・胴回りはボタンを留めた状態でこぶし1つ分ぐらいの余裕があるもの
・袖丈は手を90度に曲げた時に甲にちょうど触れるぐらい
・パンツの裾上げの長さは、靴の甲にわずかにあたる長さのハーフクッションか、裾が甲にあたらない短めのノークッションがよい
シャツの袖を1センチのぞかせる
シャツの袖は、ジャケットの袖から1㎝のぞかせるのが着こなしの基本です。シャツの袖が伸びてこないよう、袖口ボタンの調整も忘れないように。
半袖シャツは論外です。
必要以上に腕時計を見せない
腕時計はシャツの袖口に隠れる位置にとめるのが正解です。常に腕時計が外に出ていないか気をつけましょう。
インナーはベージュやグレーを選択する
シャツのインナーにはベージュやグレーを選ぶと、インナーラインがシャツにうつらないためおすすめです。スーツのシルエットを崩さない
スーツの美しさはそのシルエットにあります。ポケットに分厚い財布や重いものを入れると、シワの原因になり、シルエットを崩すことになってしまいます。
ポケットには極力物を入れないようにしましょう。
また、続けて何日も着用したり、使い古してヨレヨレになったものを着続けるのもNGです。
姿勢を正す
スーツを格好よく着こなしているビジネスマンは、姿勢がよいものです。上質なスーツを着ていても、姿勢が悪いとせっかくのシルエットが活きてきません。
筋トレをして胸や肩・背中を鍛えたり、猫背をなおすのも効果的です。
ベルトと靴は良質のものを選び、色を統一する
ベルトと靴は上等の革を使ったものを選び色を統一すると、コーディネイトがまとまりやすくなりおすすめです。特に靴はブラッシングやレザーオイルなどのお手入れを欠かさず、汚れや履きジワのないものを履くとおしゃれにきまります。
ウール素材は高級感を与える
スーツの素材には様々ありますが、ウール100%の天然素材は質感がよく高級感があり、保湿性・伸縮性・耐久性にも優れています。ポリエステル混合のスーツはシワになりにくいなどのメリットもありますが、チープな印象を与えるので、勝負スーツにはウール生地を選びましょう。
Vゾーンでおしゃれをする
基本の着こなしは、ジャストサイズのスーツと良質の革小物でほぼOKです。さらにおしゃれを楽しみたい場合は、Vゾーンでネクタイやシャツを取り換え、そのコンビネーションでおしゃれを楽しむとよいでしょう。
本切羽の袖ボタンが粋に見える
本切羽とは、ジャケットの袖口の飾りボタンが実際に開け閉めできる仕様のことを言います。さりげない粋なおしゃれとして、オーダーメイドのオプションで人気があります。
スリーピースの着こなし方
スリーピーススーツはクラシカルなエレガントさが魅力。スリーピース着用の注意点は以下になります。
・ベストの丈は、シャツやネクタイ、ベルトのバックルが見えない程度
・本来はベルトではなくサスペンダーでパンツを固定するのが一般的
・ベストの1番下のボタンは留めないのがマナーだが、裾広がりなら留めてもよい
・ジャケットのボタンは全開でもよい
・シャツの襟の剣先はベストに隠すのがマナー
・ジャケットを脱いだ着こなしはきちんとして見えるがフォーマルではない
ビジネスマンはスーツ・シャツを何着持つべき?
ここでは、ビジネスマンのスーツの数や値段の相場、種類について紹介します。スーツは1度着たら2日休ませるのがよい
同じスーツを連日着続けることは、マナーの上でも、スーツの耐久性の面でも好ましいことではありません。スーツは1度着たら、2日は休ませるようにします。
それは長く着続けるための工夫でもありますので、余裕があればできるだけスーツの数を増やし、休ませる間隔を伸ばすとよいです。
春夏用と秋冬用はここが違う
3着あれば3日でローテーションできる計算になりますが、スーツには春夏用と秋冬用があります。素材や織り方、背中部分の生地の有無にも違いがあり、その季節に快適に過ごせるように工夫がされています。
オールシーズン用のスーツもありますが、どうしても夏に暑く、冬には寒く感じられるので、真冬・真夏には春夏用・秋冬用が必要になるでしょう。
春夏用・秋冬用をそれぞれ3着以上持っているとよいです。
シャツは5着ほどあると安心
シャツは一度着用したら洗濯しますので、洗い替えが間に合わなかった時のためにも5着あると安心です。出張が多いビジネスマンはもっと必要になるでしょう。
白やサックスブルーで無地のシャツは、スーツを替えても着回しできる必需品。
それからアレンジできる柄シャツやカラーの違うものを買い足していくとよいですね。
ビジネスマンのスーツの値段
スーツの金額は1万円代から何十万円もするものまで様々です。年代や役職に合わせてスーツの価格を上げていくという着方が多いようです。
新入社員のスーツの相場は2~3万円、20~30代で中堅クラスなら4~5万円以上のもの、課長・部長などの役職がある人は7~10万円以上のスーツを身につけるのが相場です。
リクルートスーツ
リクルートスーツは就活用として販売されているスーツです。<ビジネススーツとの違い>
・デザインが会社受けのよい個性を抑えた無難なものである
・ポリ混紡で、連日の使用でもシワになりにくい
・就活のみの着用前提なので、耐久性は低く、低価格
リクルートスーツは就活後も大学の卒業式や結婚式などで使えます。
また、入社したての間は会社へ着て行っても問題ありませんが、ある程度したらビジネススーツを新調するのが一般的です。
そういった面から、はじめからオーソドックスなビジネススーツを買い求める就活生も多くなっています。
20代・30代のビジネススーツ
20代・30代では、ビジネスシーンで最も使いやすいネイビーやグレーの無地もしくは落ち着きのあるストライプのスーツを選びましょう。スーツのおしゃれは人目を引くカラーや柄にあるのではなく、自分を一番引き立てて見せるぴったりのサイズと上質な質感にあります。
オーソドックスな色柄をうまく着こなせるようになってから、ディテールのおしゃれを楽しむのがおすすめです。
役職を持つビジネスマンのスーツ
役職を持つようになったら、威厳あるダブルスーツやブラウンなどのアースカラー、チェック柄のスーツもしっくりと着こなせるはず。対人関係も多くなり、スーツのバリエーションも必要とされますが、同時におしゃれの幅も広がりますね。
ビジネススーツのお手入れ
次にスーツのお手入れについてです。できるだけ長く着続けるために以下の点に気をつけていきましょう。
1度着用したら2,3日は休ませる
スーツは1度着たら、2,3日は休ませるのが鉄則です。そうすることで、スーツにしみ込んだ水分を蒸発、臭いを飛ばしシワを伸ばし、型崩れを防ぐことができます。
休ませないで着続けると生地の劣化を進めてしまいますので気をつけましょう。
ジャケットは厚みのあるハンガー、パンツは専用ハンガーに吊るす
ジャケットは細い針金のハンガーではなく、厚みのあるハンガーに吊るすことで型崩れを防げます。パンツは二つ折りにして吊るすのが一般的ですが、専用のハンガーに裾部分を挟み、逆さに吊るすのがおすすめです。
パンツ自身の重みでシワを伸ばすことができます。
定期的にブラッシングする
スーツ表面には見えないホコリや汚れがついています。定期的に柔らかいブラシでブラッシングすることで、シミや生地劣化を防ぐことができます。
定期的にクリーニングする
スーツは毎回クリーニングする必要はありませんが、10回ほど着用するたびにクリーニングに出すようにしましょう。汗や臭いが気になる場合や汚してしまった場合は、できるだけ早く対処することが大切です。
スーツ購入時にシックをつけるかパンツを2枚オーダーする
よく動き回るビジネスマンはパンツに負荷がかかりやすく、ジャケットはきれいなのにパンツだけダメにしてしまう事も多々あります。スーツ新調の際には、パンツの股部分の裏地に補強用の布であるシックがあるかを確認するのがおすすめです。
また、ジャケット1枚に対してパンツを2枚購入するのもよいでしょう。
ビジネスマンのスーツに関する定番・応用アイテム
ビジネスマンのスーツについて、一通り見てきました。最後に、これだけは持っていたいという定番アイテムと応用アイテムを見ていきます。
ネイビーかグレーのスーツ
ビジネスではネイビーかグレーのスーツを選べばまずは問題ありません。ネイビー・グレーと一言で表してもその色幅は広く、微妙な色の違いによって全く違った印象にもなるのです。
また、ネクタイの色や柄、シャツの色や柄のチョイスによってもガラッと印象を変えられます。
知的・真面目・若々しい印象を与えるネイビースーツ、落ち着いてクールな印象のグレースーツは定番として持っておいて損はありません。
白シャツ
ビジネスシャツの定番カラーは当然白。清潔感や誠実さを感じる白シャツはどんなシーンでも、どんなアイテムとも合わせられるので何枚も持っていたいですね。
ネイビー系のネクタイ
ネイビー系のネクタイも応用力が高いのでいくつ持っていても無駄になりません。無地・ドット柄・レジメンタルストライプ柄など、手持ちのスーツに合わせたいものを追加していきましょう。
ただ、ビジネスシーンではあまり派手なもの、柄の大きなものは避けましょう。
応用アイテムにはストライプスーツや小物を
このほかの応用アイテムには、ストライプスーツやカフス・ネクタイピン・チーフなどを取り入れていくとよいです。ストライプスーツには、遠くからは無地に見えるほど薄いラインをもつ「シャドーストライプ」や、小さい点で構成された「ピンストライプ」、細い鉛筆で線をひいたような「ペンシルストライプ」、白いチョークで線をひいたような「チョークストライプ」などがあります。
ただ、フォーマルなビジネスシーンには、あまり線がはっきりしすぎているものは合いませんので、その点に留意しながら選びます。
また、柄のスーツには柄シャツや柄ネクタイより無地シャツ・無地ネクタイの方が上品にまとまります。
「柄物はスーツ・シャツ・ネクタイのうちの1つだけにする」という基本ルールに沿ってコーディネートするとよいでしょう。
このように、フォーマルなビジネスシーンでは高度なおしゃれは必要ありません。
もちろん色彩感覚に優れた人は柄物同士の組み合わせで高度なおしゃれをしてもよいですが、自信のない人は柄物は1点と決めた方が上手に着こなせます。
単調で物足りないという場合には、品の良いカフスやネクタイピン・チーフ・革小物をおしゃれの小道具として取り入れていけばよいのです。
まとめ
スーツの種類や名称についての基礎知識から、スーツに関する基本的マナーやお手入れ方法、着こなしの仕方について述べてきました。着こなし上手になるには、基礎知識を頭に入れたうえで、ジャストサイズのスーツを選び、シルエットに気をつけた振る舞いをすることが大事。
フォーマルなビジネスシーンでは、人目を引くおしゃれより、柄を1つに抑えたベーシックな着こなしが落ち着いて素敵に映ります。
この記事を参考に、相手に信頼感を持ってもらえるような、清潔感あるスーツを身につけましょう。