HISTORY

2013年に立ち上がり今に至るまで、多くのお客様の声を反映しつつ、数々の失敗と反省を繰り返しながらTRANSICは少しずつ成長してきました。「お客様と共に成長する」という理念のもと、部署を立ち上げるに至ったファーストトレード 株式会社代表の三上の思い、お客様に喜んでいただける商品を求めていく中で出会った仲間や様々な国の人々。そして少しづつ私たちの中に起こった変化。TRANSIC株式会社として、新たにスタートを切るまでを山形がご紹介します。

はじまりは輸入雑貨のEC販売

2011年、貿易商社としてファーストトレード株式会社(福井県)が創業。それから2年後の2013年、EC事業部として輸入雑貨の販売をスタートさせました。販売を進めるうちに、仕入れた商品を売るのではなく「愛着を持つことができる商品を作りたい」という思いが生まれ、2014年、三上はメンズバッグブランド[GOLDMEN / ゴールドメン]を立ち上げました。東京の下北沢シェアオフィスを拠点に三上と私(山形)の二人で、何も分からない状態でゼロからの立ち上げでした。

初めての自社ブランドとなるGOLDMENを育てて行くため、立ち上げ当時、バッグについて全くの素人だった三上は半年間、福井から東京へバッグ製作スクールに通い知識を習得、商品開発に活かしてきました。このとき掲げた理念が「価格以上の価値の追求」。使う人に価格以上の価値を提供したい。その想いただひとつに私たちのビジネスバッグづくりがはじまりました。

これは2015年当時の「GOLDMENインスタグラム」投稿画像です。スタッフが増えたため、渋谷に小さなオフィスを構えました。商品企画はもちろん撮影や販売も自分たちで行いました。三上は素材や金具の細部にまでこだわり、出来上がったサンプルは三上が最低でも2週間使用して「自分が納得できる商品づくり」を徹底しました。

「価格以上の価値ある製品づくり」を追求するため、私たちはまずアジア・ヨーロッパを回り、自分たちが納得できるクオリティや技術、素材を供給できるサプライヤーを探すことに2年の月日を費やしました。革の産地であるバングラデシュへの視察では、工場で働く女性たちや現地の子供たちと触れ合い、その純粋さや生きる強さに感動。バングラデシュにバッグ工場を建てようと日本の職人さんを現地に連れて行ったりと往復約2年、尽力しましたが断念。ですが、この取り組みは無駄ではありませんでした。皮革を無駄にせず大切に使うことを学び、海外との取り組みの難しさを経験し、何より現地で働く強い女性たちに、私たちは今も強く影響を受けているからです。

ECセレクトショップ
TRANSIC/トランジック オープン

各国を行き来する中で世界中のブランドや商品に触れ、私たちが素晴らしいと感じたこのアイテムをお客様に届けたいとの思いから、2016年、ECセレクトショップ[TRANSIC/トランジック]をオープンさせました。渋谷オフィスから南青山に拠点を移すとともに、手にとって商品を見ていただけるよう、ショールームも開設。自社ブランドにこだわらず、バッグに限らず、「働く」をちょっと楽しくさせるビジネスアイテムを提供していくこと。それがセレクトショップTRANSICとして、すべての働く人を応援することにつながっていると考えています。

イタリア老舗ブランドとのコラボ

2017年、イタリアの老舗革小物ブランドBoldrini社と提携。革にこだわるビジネスマンに向けたブランド、Montecatini by Boldrini(モンテカティーニ バイ ボルドリーニ)を立ち上げました。その背景には、お客様に良質な商品を手に届きやすい価格でお届けしたいという思いがありました。

世界三大皮革産業のひとつであるイタリア・トスカーナで設立されたBoldrini社。トスカーナ地方は1200年頃から、ベジタブル・タンニンなめしの技術が盛んだった地域です。現在、タンナーが数千社もあり、職人たちが伝統技術を守り伝えようと今も受け継いだ技術でイタリアンレザーを製造しています。ベジタブル・タンニンなめしの革は非常に作業工程数が多く、高価なものになり、中でもベジタブル・タンニンなめし協会の認定を受けたレザーはシリアル番号で管理されるほどの徹底ぶりです。これらの素材を使い、イタリアの職人が1つ1つ手作りする鞄を多くの方に届けるため、Boldrini社とのコラボレーションを実現させました。

新ブランド
PORTLAND / ポートランド

2018年、ビジネスシーンのカジュアル化に合わせ、様々なワークスタイルに合わせたアイテムを提案するブランド「PORTLAND / ポートランド」をリリース。これまでの男性的なGOLDMENブランドとは対照的に、ユニセックスブランドとしてボーダレスなアイテムを展開。カジュアルスタイルやリモートワークスタイルにも合わせやすいバッグや雑貨を揃えました。

ヨーロッパや国内ブランドとの取り組み

日本初上陸となるフランスのブランド「Allen.St / アレンストリート」取り扱い開始。これまでになかった発色やエッジの効いたデザインやフォルム、ストーリーを纏ったアイテムをヨーロッパで買い付け。同時に「Paul Marius / ポールマリウス」「TSOG」「ButlerVarnarSails / バトラーバーナーセイルズ」の取り扱いも開始。TRANSICのコンセプトに沿ったバッグ以外の小物雑貨を取り揃えました。

上質な日本製の革小物ブランド
FUTOKORO / フトコロ

2019年、カスタマイズできる革小物ブランド「FUTOKORO / フトコロ」を立ち上げました。日本職人が手がけた革小物を長く大切に使って欲しい、そんな思いがこめられています。モノが溢れる時代だからこそ、ひとつのものを大切に使って欲しい、壊れたら修理ができるモノであってほしい。SDGsにもある「つくる責任 つかう責任」ゴミを増やさず環境問題に本気で取り組む、私たちの意識も大きく変わり始めました。

私たちの強みを活かして

この頃には図らずも女性スタッフが多くなっていきました。商品企画も三上の手を離れ、企画から生産管理、販売、マーケティング、カスタマーまで一気通貫で女性スタッフによって行われるようになりました。女性が企画したメンズバッグが男性に受け入れられるのだろうか、私たち女性が思う「男性の求めるテイスト」は違うのではないか、そんなジレンマをみんなが抱えながら悩みました。ところがお客様から頂いた言葉は意外なものでした。気遣いの感じられる商品細部や気の利いた対応、サービスが嬉しい、ギフトシーンに喜ばれる、と。こんなお客様の声を支えに、チームが女性スタッフであることを弱みでなく強みにして世の中に提案していこう、そんな気持ちが芽生えていきました。

↑(コロナ禍、イタリアに感染者が多く出た当時、Boldrini社が「みんな元気だよ ありがとう」を伝えるために制作して送ってくれた動画。とても心温まりました)

コロナ禍がもたらしたもの

2020年新型コロナウィルスにより、私たちの事業はストップしました。工場がストップし、物流がストップし、入荷される予定のものも全てストップしました。私たちの事業は海外取引がメインだったため大きな打撃となりました。東京オフィスと福井本社の行き来も困難になり、遠く離れるスタッフや各国にいるパートナーや生産者の身の安全を願う悶々とした日々。
そんな中、働く人々の中でも特に女性たちが離職を余儀なくされているというニュースに、私は心を痛めました。失業、家事育児介護の負担、キャリアの断念と様々な問題が男性よりも女性に深刻な影響を与えていると。そこで、私は男女の性差なく全ての人々に「働くを楽しく」を提供したいと思い始めました。働く人々にとっての「働くを楽しくする」ことは何か?それは、ありのままの自分が家庭に受け入れられ、自分の時間や居場所があり、自分が自分を好きになれること、そして周囲の人たちや社会にも理解され受け入れられることではないか、と私は思います。そんな社会で、ありのまま働けたらどんなに楽しいだろうか、そんな社会を目指していきたい。
私はこのコロナ禍で「楽しく働く」ということに対してより深く考えられたことをチャンスと捉え、この問題をきっかけに、これからの商品開発やサービス、そして情報発信に活かしていきたいと思いました。

2021年 新たなテーマ
「自分らしく、楽しく働く」を目指して

立ち上げからちょうど8年。輸入雑貨の販売からはじまったEC事業部は、ファーストトレード 株式会社から事業分割し、私が代表となり、TRANSIC株式会社として新たなスタートをきりました。女性視点でメンズ製品を企画したり販売したりすることは、男性のお客様のニーズを掴みきれているのか不安で悩むことも多くありましたが、今は女性が手がけるからこそできる何かがあるのでは、とワクワクしています。
働く全ての人々が「自分らしく、楽しく働く」そんな社会になれるように少しでも貢献していくことで、お客様自身、ご家族、パートナーやご友人も含めて素敵なストーリーを紡いでもらえたら。一瞬の喜びや満足だけでなく、長くゆっくりと信頼していただける、そんな思いのもと、お客様の声に耳を傾け、商品づくりやサービスに今後も取り組んでいきたいと思います。

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