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革と合皮の見分け方

エイジングが楽しめて、使い込むほどに愛着が増す本革製品
そして、メンテナンスフリーの使いやすさが嬉しい合皮(合成皮革)
どちらも魅力的ではありますが、パッと見で本革なのか合皮なのか判別しにくいものもあります。

この記事では、本革と合皮の見分け方について、詳しく解説します。
あわせて、高級で質の良い牛革の見分けポイントも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

そもそも、本革と合皮(合成皮革)とは?



革小物の表示でよく見かける「革」とは、動物の皮を革にしたものです。
そもそも、動物の 「皮」は、そのままだと腐ったり、固くなってしまったりします。
それをなめし加工することで、長くしなやかに保つことができる「革」になるのです。

なめし加工は、大きく3つの方法があります。

1つ目は「クロムなめし」という、塩基性硫酸クロム塩という成分を使う方法です。
2つ目は「タンニンなめし」という、タンニンを含む植物エキスと皮のコラーゲンを結合させて革にする方法。
3つ目は「混合なめし」という、クロムなめしとタンニンなめしを組み合わせた方法です。

牛を始め、馬や豚・羊といった定番の革から、ヘビやトカゲなどのエキゾチックレザーと呼ばれるものまで、すべてが革に分類されます。
その中でも、本革とは銀面があるものを指します。
皮をなめして染色しただけの革は、銀付き革・本染め革と呼ばれます。

「合皮(合成皮革)」は、布の上に合成樹脂を塗り、革の風合いを出したものです。
合皮やPUレザー、フェイクレザーなどと呼ばれることもあります。
PUというのは、ポリウレタンの略。
それ以外にも、塩化ビニールを使うこともあります。

本革と合皮のメリット・デメリット



本革と合皮は、それぞれ特徴があり、異なる魅力があります。
自分のスタイルに合う革製品を見つけるためには、本革と合皮のメリット・デメリットを把握することがポイント。
ここでは、本革と合皮のメリット・デメリットについて紹介します。

本革のメリット・デメリット


本革のメリットとは、丈夫なことと、エイジングによって味が出てくることです。
ひとつのものを長く愛用したい人や、使い込んで変化を楽しみたいという人におすすめです。

本革のデメリットは、水やカビに弱く、定期的なメンテナンスが必要なところ。
手間はかかりますが、本革の経年変化による魅力は格別です。
メンテナンスをすることで、色に深みが増す・艶が出るなど、徐々に本革が変化していきます。

メンテナンス次第で、世界にひとつだけの革製品に成長させることができるため、素材にこだわりたい人は本革を選んでみてはいかがでしょうか。

合皮のメリット・デメリット


合皮のメリットは、耐水性に優れ、汚れがつきにくいところです。
忙しいビジネスマンにとっては、メンテナンスフリーというのは大きな魅力でしょう。

ただ、合皮に使用されるポリウレタンは、空気中に含まれる水分と結合して劣化する性質があります。
そのため、合皮製品の寿命は3年程度と短めです。
仕事で外回りが多い人や、流行のデザインにこだわりたい人は、合皮製品を選ぶと良いでしょう。

本革と合皮、どう見分ける?



本革と合皮は、素材が異なるものの、見た目が似ています。
最近の合皮は進化していて、本革の質感をよりリアルに表現した製品も数多くあります。
そのため、本革なのか合皮なのかと、なかなか見分けられないことも多いでしょう。

ここでは、本革と合皮の見分け方について、7つの方法を紹介します。

見分け方1.革の断面を見る


基本的に動物の皮は、太い繊維や細い繊維が縦横に絡まりあってできています。
ベルトの穴やバッグの持ち手など、革の断面をチェックしてみましょう。
毛羽立ったり、シワが寄ったりして見えるようであれば、本革です。

合皮の場合は、断面に塗料が厚く塗ってあることがほとんど。
理由は、断面を見ると、布に合成樹脂を塗っていることがわかってしまうためです。

合皮は上手く断面を塗料で隠しているため、断面がなかなか見つからないこともあります。
断面を確認したいときは、財布の内側などの切りっぱなしの部分を見てみてください。
きっと、布と合成樹脂で2層にわかれていることがわかるでしょう。

見分け方2.革のにおいを確認する


1番わかりやすいのが、革のにおいを確認する方法です。
単純なようですが、本革と合皮の違いがはっきりとわかります。

本革の製品であれば、どんな動物の革でも独特なにおいを感じるはずです。
手持ちの革製品のにおいを嗅いで確かめておくと、店頭で見分ける際に役立つでしょう。
合皮の場合は、ビニールっぽいにおいや無臭であることがほとんどです。

見分け方3.革を燃やす


革を燃やせば、本革か合皮かすぐに判別できます。
本革は、燃やすと有機物(たんぱく質)が燃える牛乳のようなにおいがします。

一方、合成皮革は、プラスチックを燃やしたような、化学物質が燃えたツンとくるにおいです。
革を燃やす機会はないかもしれませんが、本革と合皮を見極める方法として知っておくといいでしょう。

見分け方4.革の毛穴を見る


本革はもともと、毛が生えた動物の革で毛穴があります。
対して、合皮には、毛穴がありません。
本革の毛穴は、なめしの過程で処理されることがほとんどですが、ライトの下でよく見ると毛穴が見えるものがあります。

ただし、加工の方法によっては毛穴が見えにくい本革製品もあることを覚えておきましょう。

見分け方5.経年変化で革にひび割れができていないか


本革は、経年変化が楽しめるところが魅力。
お手入れをして保湿している限り、ひび割れができる可能性は極めて低いです。

対して、合皮の場合は、長く使っているとひび割れが発生します。
理由は、合皮の表面を加工している、ウレタンやポリエステルの樹脂が劣化を起こすためです。
合皮にできたひび割れをよく見ると、下地となっている布がわかるはずです。

本革であっても乾燥してしまうとひび割れができることもありますが、布が見えることはありません。
ひび割れが起きて布が見えたら、合皮と判断していいでしょう。

見分け方6.革を折り曲げてシワを見る


本革と合皮の簡単な見分け方として、折り曲げたときにシワがあるかどうかを見る方法があります。

本革は、しなるように自然に折り曲げることができて、シワができません。
合皮は、折り曲げた部分にシワが数本入ります。
合皮を折り曲げたときは、くたっと折れるか、もしくは硬くて折れにくいかのどちらかです。

合皮にシワが入る理由は、布と合成樹脂の2層でできているため。
布と合成樹脂の間が原因で、シワができてしまいます。

折り曲げすぎてしまうと、布と合成樹脂がはがれてしまうため、気を付けながら確認してください。

見分け方7.擦れた部分に革専用クリームを塗る


本革は、革専用クリームを塗ることで、色合いに深みが出て艶が生まれます。

1番わかりやすいのは、擦れた部分にクリームを塗った後。
色が薄くなった部分にクリームが馴染むと、色が戻ることで艶が生まれ、保湿効果を得ることができます。
保湿効果が得られる理由は、革専用クリームに含まれる水分・油分が、本革に浸透するためです。

しかし、合皮は布を合成樹脂で塗装しているため、革専用クリームの水分・油分が浸透しません。
そのため、本革のときのような保湿効果を得ることはできないことがほとんど。
あくまで一時的な色落ちカバー・艶出し効果のみです。

最も確実なのは、表示を確認すること



本革と合皮を確実に見分けるためには、表示の確認がもっともおすすめ。
店頭でもネット通販でも、表示は必ず確認しましょう。

とはいっても、ネット通販となると、確認したくてもできないということがほとんどではないでしょうか。

判断基準の1つとしておすすめしたいのが、本革と表記されている場合に、皮革名とお手入れ方法が明記されているかを確認することです。

旅行かばん・事務用かばん・ランドセルといったバッグの場合は、家庭用品品質表示法により、外面積の60%以上が銀付き革(表皮付きの牛革)の製品は、「皮革名」と「お手入れ方法」を明確に表示することが定められています。
適切な表示方法で販売している優良店舗であれば、本革製品の場合には必ず表記されているはずです。

ただ、ネット通販で販売されている商品の中には、表記がないものもあります。
まずは、販売ページ内で表示の確認をして、それでもわからない場合は、店舗に問い合わせて確認しましょう(※ハンドバッグや財布等の袋物は対象となりません)。

<素材について>
・「牛革」「馬革」「豚革」「羊革」「やぎ革」のものについては、その皮革名を用いる。
・これら皮革のうち二者あるいは三者の混合のかばんは、それぞれ「牛革・馬革混用」「牛革・豚革混用」「馬革・豚革混用」「牛革・馬革・豚革混用」「床革(皮革を二枚にそいだ場合の表皮の付かない内側の革)」の用語を用いて表示する。

<お手入れ方法及び保存方法>
次に掲げる事項を製品の品質に応じて適切に表示する。
・素材にあったクリーナー、クリームや中性洗剤などで手入れをする旨。
・濡れたときは、陰干しで乾かす旨。
・保存するときは、湿度の高い場所を避ける旨。

高品質な本革製品の見分け方のコツ



本革製品の中でも、より高品質で長持ちするものを見極めるためには、以下3つのコツがあります。
    ・本革の断面が、塗装されることなく磨き上げられている
    ・バッグの持ち手など力が集中する部分が、丁寧に縫われている
    ・ミシンでは縫えないような細かな部分や弱りやすい部分が手縫いされている

本革の表面だけを見るのではなく、縫い合わせの部分などの細かな部分を見ることが大切です。

財布やバッグに多い「牛革」、高級な革の見分け方とは?



財布やバッグなどの本革製品は、牛革(カウレザー)製のものがたくさんあります。
牛革は、世界でも最も流通量が多いといわれているほどです。

牛革が流通している理由は、飼育数が多い上に一頭からとれる皮面積が広く、安定した生産量を保つことができるためです。
耐久性がありながらも加工しやすいという特徴から、様々な製品に使用されています。

お手持ちの本革製品を改めて確認してみると牛革だった、という人も多いでしょう。
ここでは、数ある牛革製品の中でも、より高級な牛革を見分けるためのポイントを紹介します。

高級な牛革は国産のもの


牛革は、アメリカ産であることが多く、次いでカナダやオーストラリアで生産されています。
なかでも、日本で高級牛革として扱われるのは「地生(じなま)」と呼ばれる国内産牛原皮からつくられるものです。
地生は、牛革の管理・保存状態が良く、高品質な本革として人気があります。

牛革の種類で見分ける


牛革は、牛の性別・年齢により、大きく6種類にわかれます。
    1.ハラコ・ヘアカーフ:生後6ヶ月以内、毛を残した状態の仔牛の革
    2.カーフスキン:生後6ヶ月以内の仔牛の革
    3.キップスキン:生後6ヶ月〜生後1年未満の牛の革
    4.ステアハイド:生後2年以上、去勢済みのオス牛の革
    5.カウハイド:生後2年以上、出産経験があるメス牛の革
    6.ブルハイド:生後3年以上、繁殖用オス牛の革

牛革製品の値段を見ると、若い牛の革を使った製品ほど高価です。
仔牛など生後間もない牛を使った牛革製品は、流通量が少ないため、高価格で取引されます。

最高級の牛革は「カーフスキン」


カーフスキンは、生後6ヶ月以内の仔牛の革のことです。
牛革のなかでも、最高級と評価されています。
カーフスキンは、大人の牛の革よりも柔らかく、きめ細かなところが特徴です。
丈夫さもあり、ハイブランド製品でも使用されています。

しかし、手に入りにくい素材であるため、少数生産で高価格です。

「ヘアカーフ」が希少価値の高い牛革


カーフスキンと同じく、生後6ヶ月以内の仔牛の革であるヘアカーフ
ヘアカーフは、カーフスキンと違って毛を残したまま仕上げた革のことです。
カーフスキンよりもさらに希少価値が高く、高価格がつきます。

ヘアカーフの特徴は、しっとりとした手触りと、上品な光沢があるなめらかな毛並みです。
毛並みをなでると、独特な質感に驚くことでしょう。

ヘアカーフと似ているハラコは、実は別物です。
ハラコも、生後6ヶ月以内の仔牛。
毛を残したまま仕上げているところは共通していますが、毛の質感が違います。
ハラコの毛は硬めで、チクチクしますが、ヘアカーフはなめらか。
そのため、ヘアカーフは、上品で高品質な牛革として評価されています。

上記の特徴を参考にしながら、お好みの革を探してみてくださいね。

本革と合皮の違いを知って自分に合うバッグを選ぼう



ひと目見ただけではなかなか見分けづらい、本革と合皮の見分け方について紹介しました。
本革と合皮を見分けるポイントは、以下7つです。
    1.革の断面を見る
    2.革のにおいを確認する
    3.革を燃やす
    4.革の毛穴を見る
    5.劣化して革にひび割れができていないか
    6.革を折り曲げてシワを見る
    7.擦れた部分に革専用クリームを塗る

本革か合皮、どちらの製品にするか迷ったときは、今回紹介した本革と合皮のメリット・デメリットを参考にしてください。
きっと、好みや使い方に合った革製品が見つかるはずです。

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